伊藤部長をはじめとする協会の皆さんに貴重なお時間を割いて表敬訪問を受け入れていただき深謝する。中国では、ポストコロナにおける投資誘致促進の新たな時期が到来したと感じている。今回の訪日を通じて、日本の経済団体と関連企業との新時期におけるWin-Win協力を共に推進できればと願っている。
ご存知の通り、長江デルタ地域は、従来経済活動が非常に盛んな地域であり、巨大なマーケットでもある。昨日のセミナーでは、日本企業の対中投資の熱意と期待を肌で感じていた。日経BPのご支援の下、セミナーを通じて良い交流ができた。日本企業の皆さんもきっと、如何にビジネスチャンスを掴み、中国側との協力事業を推進していくかについて改めて認識できたと思う。
張家港市は長江デルタ地域の中核地域であり、強固な工業産業基盤を有している港町である。張家港は1986年に市として設立された若い都市ではあるが、29年間連続「中国市(県)百強」のTop3にランクインしてきた。長江デルタ地域における新たな経済発展をリードする重要な存在になっている。
地理的には、上海までは車で1時間程度、高速鉄道なら僅か28分で交通の便が良く、上海経済圏に属していながら、蘇州経済圏の有力メンバーとしても注目されている。工業経済が盛んであり、主に下記三つの柱事業に支えられている。
- 地元の鉄鋼企業(江蘇沙鋼集団、江蘇永鋼集団→南豊鎮)
- 開放性経済、外資系企業(外資系企業が1000社以上にのぼる)
- 地元の有力民営企業
昨年度、張家港のGDP総額は3302億元に達し、「全国GDP Top10県(市)」の3位に輝いた。
長江水域においては、最初に開放された国家1級の内河港として、張家港港は長江に沿って60kmに渡り、1万トン級以上の船舶が停泊できる埠頭が何十か所も有している。
また、産業の発展のみならず、自然環境、住居環境の保護にも力を入れており、「国家衛生都市」として10年連続表彰され、「国連人間居住賞特別栄誉賞」も受賞したほど、美しい港町としても名を馳せている。
南豊鎮は、張家港市の経済重鎮である。張家港市の東部に位置し、長江経済水域の優良埠頭資源を有している。主力産業は、冶金性材料(鉄鋼産業)、新エネルギー、スマート製造、電子情報産業など。とりわけ、新エネルギー産業は張家港市の重点産業として推進されており、水素、リチウム電池、LNG(今年新たに50億元、300万トン規模のLNGプロジェクトが南豊鎮で新規建設される予定)などの分野においては、優位産業として著しい発展を遂げている。
近年、「蘇滬同城」(蘇州‐上海共同経済圏)、「長江デルタ一体化」の新たな経済発展指針の下、日本企業との産業協力、相互投資をより一層推進すべく、今後技術導入・相互補完におけるWin-Winの協力関係を築いていけるよう、ぜひ貴協会のご協力をいただけるとありがたい。
張家港に進出している日系企業はすでに80社以上にのぼり、投資総額は20億米ドル以上にも達している。日ノ出化工、旭化成、ジャトコ(工場→R&D本部)などの有名企業が中国事業を連年拡大しており、地元政府としては、これまで以上に各方面において全力で支援していく所存であり、
日系企業と地元企業のWin-Win協業を引き続き推進していきたいと願う。
毎年「張家港経済貿易ウィーク」が9月上旬から10月下旬の期間中に開催され、貴協会におかれては、ぜひ会員企業を引率し視察にお越しいただければ幸い。