中国の現状:明確なグリーン金融推進の一方で、制度運用で基準や指標が明確でない点も
・中国国内では融資対象選定の指標が明確に提示されている。一方で、それが企業の取り組みを評価する要素にまでははなっ
ておらず、制度運用、基準数値化の方法(どの方法で計算した数値が基準になるか)、さらには一連の制度で恩恵を受けら
れる対象が明確でない部分がある。
・中国は2020年6月にEUとのグリーンタクソノミーの共通化を図るタスクフォースの立上げを発表するなど、国際的な仕組
みづくりにも参画している。また、省エネ・環境分野を含めて中国は国際水準(スタンダート)に追いつこうと決めると、
そのスピードはとても速いと感じている。
・中国企業の中には納品後に性能、効果、知的財産などを確認してから支払いを行う考え方を持つ企業が多いことや、「登録
資本金」と「出資予定額」という日中企業の概念の違いなどの商習慣の違いが存在する。
日本の課題:製品や技術の海外展開のみならず、仕組みづくりへの参画も
・世界のルール作りに参画していかないと、ISOや自動車などの分野と同様に、新たな国際標準などで日本企業が一気に“おい
てけぼり”になる恐れがあると思われる。(日本の強みである技術力も、それに合致する市場ルールがあってこそ生きる)
・国内での市場開拓や技術開発のみならず、海外の問題解決に積極的に貢献することで、自国の価値を高めることができる側
面があり、日本は中長期的にこの方法を求められるのではないか。
・日本が得意とする技術力について、すべての人々が低コストで利用できる状態には至っておらず、海外展開の課題となって
いる。