日中長期貿易協議委員会は、石炭取引をベースに、省エネ・環境をはじめとするプラント・技術等の技術交流及び取引に関する枠組みづくりを行っています。
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第8回F:LTリサイクル視察団 派遣報告
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第8回F:LTリサイクル視察団 派遣報告
「LTリサイクル考察団」を江蘇省に派遣
「LTリサイクル考察団」を江蘇省に派遣
過日LTメンバー各位にご案内申し上げた通り、12月25日~27日、日中長期貿易協議委員会(LT)・生田章一事務局長(日中経済協会専務理事)を団長とする標記考察団9名を江蘇省に派遣しました。
本団参加メンバーは、江蘇省訪問後の12月28日、北京で開催された「第8回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」に参加しました。本フォーラムでは、LTをはじめとするいくつかの分科会で「リサイクル」が主題となっていることから、本考察団では「リサイクル」を中心とする各企業の取り組みについてうかがいました。
◆ 蘇州同和資源綜合利用有限公司(蘇州新区・12月25日訪問)
環境リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理などのグループ企業を有するDOWAホールディングスが展開する企業です。日系企業として環境・リサイクル事業で最初に中国に進出し、貴金属、銅、廃家電などのリサイクルを展開しています。
中国では2009年の「以旧換新(家電買い換え促進)」政策に象徴されるように、廃家電の増加に伴い、2011年に家電リサイクル法が施行されました。品目は、日本のテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機にPCを加えた5品目が対象となっています。こうした廃家電を、中国では原料として有価で買い取られますが、同社では、貴金属や銅などを抽出して有価で販売するビジネスを展開しています。
全国の「廃棄電器電子産品解体処理企業(認定企業)」は、2012年7月当初の43社から2014年6月までに106社まで増加しており、市場原理により、廃物であっても買い取り費用が高くなる現象が起こっているそうです。
◆ 天奇自動化工程股份有限公司(無錫市恵山区・12月26日訪問)
LTカウンターパートである中国商務部対外貿易司及び中国汽車技術研究中心(天津)の協力により訪問が実現しました。
同社は、製造ラインの自動化設備の製造・販売を主要事業とする民営企業です。1984年に設立され、2004年深圳証券取引所に上場(国内同業者で唯一)、技術と販売面で国内同業首位、売上高50億元、従業員4,000名。トヨタ、ホンダ、ニッサンなど日本の代表的自動車メーカーなどとも取引関係にあるということでした。
中国では、自動車保有台数が急激な増加を背景として、使用済み自動車(以下、ELV)のリサイクルにも商機が生まれています。同社では、2014年からELVの回収利用を開始。自動車シュレッダーダスト(ASR)の金属回収分別など自動車解体のシステムを開発しつつ、実際の工場は、安徽省の銅陵に建設し(銅陵天奇藍天機械設備有限公司)、国家発展改革委員会などからも支援を得ています。
今回の訪問では、企業概況や事業展開の紹介を受けるとともに、竣工したばかりの同社展示館を見学し、ELVリサイクルラインのジオラマやビジネスモデルの説明を受けるなど交流を深めました。
◆ 南京夏普電子有限公司(NSEC)
(南京経済技術開発区・12月26日訪問)
南京経済技術開発区に最初に進出した、シャープの液晶テレビ工場です。1996年に設立され、翌1997年より操業を開始しました。当初はCRTテレビやオーディオ関係を製造していましたが、その後は、CRTテレビ→液晶テレビ、オーディオ→モジュールというように、業態転換させてきたそうです。
同社の一番の強みは、南京の当地で、企画、設計開発、生産まで一貫体制であること。モジュールから完成品までを一括生産することで、品質管理上で何かあれば迅速に対処ができるほか、物流コスト削減にも寄与しているということでした。
今回考察テーマであるリサイクルに関する取り組みについては、洗浄工程での排水の再利用や、梱包材や通箱(ダンプラ)の活用などの紹介をうけました。従業員自らが、廃材の業務効率改善へ向けた活用を提案し、リサイクルを楽しんでいるという姿勢が大変印象的でした。
実際の液晶パネル工場内の見学では、モジュール製造から組み立て、梱包、出荷までの工程の紹介を受けました。
本件に関するお問い合わせ:
日中長期貿易協議委員会(LT)事務局
電話:03-5511-2513(担当:澤津)
掲載日:2015年1月6日
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