日中長期貿易協議委員会は、石炭取引をベースに、省エネ・環境をはじめとするプラント・技術等の技術交流及び取引に関する枠組みづくりを行っています。

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省エネ部会第8回定期交流会 開催報告

 

省エネ等技術交流促進部会が第8回定期交流を開催

省エネ等技術交流促進部会が第8回定期交流を開催
 
[LT分科会には日中から90名が参加する盛況だった]
両国の長期貿易協議委員会の省エネ等技術交流促進部会(中国側事務局は商務部対外貿易司に設置)の共催により、第8回日中省エネルギー・環境総合フォーラムの分科会として、第8回定期交流(通称:LT分科会)を開催しました。本分科会は、上記フォーラムにて、に第1回以来毎回欠かさず開催してきた定期交流です。第8回目となる今次交流には日本側35名、中国側55名の計90名が参加しました。
 
今回も、従来から本分科会で議論されてきた自動車リサイクル(第1部)や汚水汚泥処理(第2部)の2つが中心議題となりましたが、第1部には今回からは新たに「中古車市場の規範化」といった新たな関心事項が、有望ビジネス分野としてアジェンダに加わりました。
 
閉会後に談笑する日中の代表者(村山部会長と劉長于商務参事官)
会議の冒頭、中国側代表の劉長于商務参事官は「LT分科会をプラットフォームに、これまで16の協力プロジェクトが合意されたことは着実な成果だ」と胸を張り、日本側代表の村山均部会長も「新しいステージ、『新常態』に入った中国では、この部会の重要性がますます高まっている」と応じました。

全体を総括すると、実務交流の積み重ねの重要性を再確認する定期交流となりました。
 

第8回定期交流(LT分科会)議事次第

第8回定期交流(LT分科会)議事次第
 
議事次第
   
● 第1部:中古車市場の規範化と自動車のリサイクル
経済産業省の金澤室長は、日本で2005年に成立した自動車リサイクル法を中心に政府の取り組みを紹介した。同法は、シュレッダーダスト、エアバッグ類、フロンガスの3品目について、自動車メーカーの責任で処理すると明確に位置付けている。その特徴は、ユーザーが新車を購入時に3品目についてのリサイクル料を負担すること。それが預託金として積み立てられ、最終処理後にリサイクル料金が払い戻される。廃車の引き取りから解体、破砕処理まで、関係事業者が各工程で適正な役割を果たすという構造となっている。こうして、制度制定後の2013年には関係者の協力の下、約99%のリサイクル率が達成され、これに伴い不法投棄も当時に比べて大幅に減少した。今後の課題としては、リサイクルの高度化に向けたマテリアルリサイクルの推進、次世代車、新素材への対応に加え、国際化への対応を進める必要がある。
 
商務部の陳躍紅処長は、中国の中古車市場の潜在力の大きさを強調した。中古車市場を育てることは中国の消費者ニーズ充足にもつながり、循環経済促進の面でも意義がある。政府の政策指導も重要であることから、商務部は関連政策・基準を続々と発布し、競争体制の確立、流通・販路拡大、中古車経営支援などに努めている。2013年までには1,000社以上の中古車関連企業が18.5万人を雇用し、売上高は847億元に到達している。こうした市場の発展の一方で、昨今は合理化も求められている。中古車の個人売買促進に伴い、査定業務、車検、eコマースも盛んであるが、半面で透明性確保など実務面での環境整備が不可欠となっている。
 
豊田通商の出野室長は、使用済み自動車(ELV)をめぐる中国での取り組みやビジョンを報告した。同社は既に日本でELVリサイクルチェーンを構築しているが、中国が2020年に日米並みの「自動車リサイクル大国」になると見込んでいる。急激に変化する市場で、「廃棄自動車回収管理弁法(307号令)」の改訂などを注視している。エコノミーとエコロジーのバランスの上をとりながらのリサイクルビジネス構築を目指すなか、リビルドと中古部品が両輪として活用されることに期待している。同社も近年、北京のELV解体事業者へ資本参加など具体的協力も進展しており、今後は日本での経験を導入しつつ、効率的で環境負荷の低い工場を、日中連携により構築していく。
 
中国汽車技術研究中心の黎宇科部長は、中国のELV回収利用産業の現状と課題を分析した。2013年末までに中国のELV回收解体企業は合計544社に上り、ELV回収台数は143.61万台(二輪含む。うち自動車は82.72万台)、このうちトップ50企業の回収台数シェアが半分を占め、業界の集約化も進んでいる。企業数が増加し、政策も矢継ぎ早に打ち出されるなど市場も発展しつつある。今後コアとなる企業を育成し、先導的役割を担わせるが、ここに中日協力の余地が見出される。業界の発展のためには、ELV解体後の資源の循環利用など廃棄物処理メカニズムが改善されなければならず、中古部品の認知度向上も課題である。
 
第2部:都市部の汚水汚泥の無公害化処理
大川原製作所の童琳氏は、汚泥乾燥技術の中国への応用について、具体的協力事例をまじえた技術紹介を行った。下水汚泥の減量化・無害化・固形化は、日本では高度成長期からの課題であった。同社は茶葉の乾燥技術にはじまり、現在は汚泥の乾燥設備の開発・製造にも取り組んでいる。このうち、2,000台以上の納入実績を有し、乾燥効率の高く、幅広い処理物質に対応できる熱風式乾燥装置や、蒸気を熱源とし、全体がコンパクトな伝導伝熱式乾燥装置を紹介した。中国湖北省においては、同社の乾燥設備、巴工業の炭化設備、中節能博実の生物脱臭設備といった技術を結集した協力プロジェクトを推進している。
 
北京市市政工程設計研究総院有限公司の李藝副総経理は、新しい水源開発のための水再生処理技術の方途を提示した。中国の水不足要因は、北方の資源性、南方の水質性、中西部のインフラ未整備性と三者三様である。その解決の鍵となるのは、都市流域における水資源の循環利用や汚水の高度処理・再生利用促進といった技術の応用である。現行の技術体系には、物理処理(濾過、沈殿など)と生物処理(生物濾過槽、膜分離など)に大別され、それぞれに強みと弱点を持つ。こうした中国の全国的な水不足のなか、その解決に向けて、汚水の再生利用とその有用性が技術的側面から実証された。
 
日立造船・小林部長の発表は、日本のし尿・浄化槽汚泥処理の歴史的背景から始まった。日本でし尿は古来より有価物として取り引きされ、やがて廃棄物に変化していった経緯がある。そこで濃度の高いし尿と浄化槽汚泥を各家庭に一旦貯留し、これを収集車両で別施設まで運搬して処理がなされるという処理のプロセスが確立した。し尿汚泥は、貯留槽や破砕ポンプなどの工程を経て、乾燥焼却する手法もあるが、浄化槽汚泥を主体とする処理では、一旦脱水し、浄化槽汚泥の固形物を取り除いてから生物処理を処理するという方式もあり、同社にはこの工程に優位な技術を有している。
 
中節能博実(湖北)環境工程技術有限公司の銭鳴総経理は、第4回フォーラム(2009年)のLT分科会初登壇以来、4度目の発表であるが、回を重ねるごとに協力の深化を実感させた。湖北博実が中国節能環保集団の一員となって初めての登壇であり、上述の大川原製作所らとの合作を進めていくための留意点を説いた。はじめに中国汚泥処理の現状や、最新政策を分析したうえで、日本から取り入れている汚泥乾燥、炭化技術を紹介した。とりわけ、ドイツのユーロ借款などを活用し、鄂州で実施されているのは日中合作初の汚泥炭化プロジェクトであり、サイトに適した技術導入が重要であることを強調した。
 

 
今回の定期交流の特色の第一は、経済産業省ならびに商務部の両国政府代表より最新の制度を相互に紹介する政策交流を行ったこと、第二に、企業や研究者より具体的協力プロジェクトの成果報告を中心にビジネスの現場の実態に根ざした交流となったことが挙げられます。本定期交流をプラットフォームに、これらの分野でのプロジェクト創成がますます加速することが期待されます。

本件に関するお問い合わせ:

日中長期貿易協議委員会(LT)事務局
電話:03-5511-2513(担当:澤津)
掲載日:2015年1月22日

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