1.劣後生産能力・設備の淘汰の新メカニズムの検討
財政・税務部門と積極的に連携し、劣後した生産能力の淘汰・退出メカニズムを検討して、劣後生産能力の退出条件とプロセスの制定、合理的な退出補償等基準の制定、劣後生産能力淘汰の定期報告・検査制度の構築を行う。電機、ボイラー、ブロワ、ポンプ等の重点設備のエネルギー消費状況の調査研究を展開し、重点的エネルギー消費設備の更新・淘汰計画を検討して、設備リース、エネルギー契約管理等の方式の採用を模索し、重点エネルギー消費設備の淘汰を強化する。
2.エネルギー監察の新メカニズムの構築。
省エネモニタリング機構の役割を十分に発揮させ、省エネ監察メカニズムを構築する。エネルギーモニタリングと法的監察執行方式により、財政の奨励プロジェクトの省エネ量の検査を展開し、重点エネルギー消費企業と重点エネルギー消費設備のエネルギー資料状況、エネルギー高消費設備淘汰状況及び製品のエネルギー消費枠と設備のエネルギー効率基準、業種別の設計規範等の執行状況に対する監督・検査を展開する。年間のエネルギー利用モニタリング計画を制定し、100企業・エネルギー利用設備200台、ビル50棟のエネルギー利用モニタリングと100重点電力消費企業のエネルギーバランス測定を展開する。
3.省エネ市場の新メカニズムの模索・構築。
エネルギー管理契約、エネルギー需給側管理、省エネ自主協定、自発的省エネ認証等の省エネ促進に有利な新しいメカニズムを大々的に普及させる。現在のエネルギー管理契約の実施過程に存在する際立った問題について研究し、省エネ資金の調達ルートを開拓して、金融機関と社会各分野の省エネプロジェクトに対するサポートを誘導する。製鉄、化学工業等の業種において、省エネ自主協定のトライアルを展開し、省エネ自主協定の実施規則と奨励措置の制定を検討する。省エネ効率の強制的標示制度の実施を加速し、自発的な省エネ製品認証制度を推進する。
(三)四つの省エネ重点の掌握
1.省エネ重点領域
――建築領域。建築の省エネの総合的な設計レベルを向上させ、省エネ建築設計品質責任制を構築する。建築省エネの技術路線の研究成果を普及させ、市全体の居住建築の省エネを65%とする設計基準を制定する。省エネ建築モデルプロジェクトの改造においてエネルギー管理契約メカニズムの運用を強化し、水源ヒートポンプ等の技術の集積・革新を一層促進して、市全体の再生可能エネルギー建築の総合的発展をはかる。
――商業・貿易領域。省エネ効率の高い近代的流通体系を打ちたて、省エネ型のサービス企業を発展させ、消費者の合理的で節約型の消費を育成・誘導する。マーケット、ホテル、スーパー等の省エネ行動を組織し、空調温度規制基準を厳格に執行する。バルクセメントを大々的に普及させ、農村でバルクセメント配送ポイントを設け、セメント包装物の節約利用を促す。
――交通領域。交通の省エネ統計制度を打ち立てる。交通行政認可事項の省エネ審査を強化し、輸送力の国家省エネ基準規定に基づき、輸送力の新規増加と淘汰・更新の認可を厳しく制限して、輸送量及び輸送力のバランスを規制する。省エネ交通の情報化を加速し、タクシー、客運車両や船舶等の交通手段のGPS監督管理プラットフォームを構築し、輸送力の調整を合理化して、実際の搭載量を向上させ、交通手段のエネルギー消費を引き下げる。
――市政領域。中心部(原文「主城区」)の都市照明規劃により、緑色照明工程を実施し、学術都市等の緑色照明基地を構築する。水銀灯、白熱灯等の旧式照明の改造とLED灯、無極灯等の新式光源の応用を積極的に推進し、中心部(「主城区」の約28,000街灯の省エネ改造を完成させる。5,000の再生可能エネルギー照明器具と遠隔操作・情報・モニタリング灯等の先進的省エネコントロール技術の市政道路、公共区域の照明での応用トライアルを展開する。
2.省エネ重点業種
冶金、建材、石炭、電力等のエネルギー高消費業種の構造調整を加速し、重点業種の指導と管理を拡大して、業種別のエネルギー効率評価活動をスタートさせ、業種毎の先進モデルの育成により、企業の省エネ・資源消費削減を誘導する。
――冶金業。重慶鋼鉄の環境保護移転に依拠し、小規模製鉄所12ヵ所を閉鎖して、劣後生産能力300万tを削減する。重慶鋼鉄の環境保護移転・建設を加速させ、冶金業のエネルギー消費を国内先進レベルに向上させ、鉄鋼の単位当たりの水消費量を47.5%引き下げる。
――石炭産業。石炭採掘の全過程での省エネ・資源消費削減に注力し、掘削、採掘、輸送、流通、排出等の主要段階に着手し、特にブロワ、ポンプ、運輸設備等のエネルギー利用効率を向上させる。炭鉱企業の整理を行い、劣後生産能力を淘汰し、石炭の産出構造を改善して、「企業数の減少、規模の拡大、安全性の向上、生産能力の増強」という調整目標を実現する。
――建材産業。セメント産業に対する政策指導を拡大する。原則上、“第一環状路内(原文「一圏」)”における新たなセメント工場の建設は許可しないこと、セメント劣後生産能力の淘汰を更に進めると同時に、新型乾式セメントの迅速な発展を進めることで劣後生産能力の淘汰と技術転換を結合し、セメント劣後生産能力100万tを淘汰し、新型乾式キルンセメント生産量の全市に占める割合を60%以上に引き上げる。低温余熱発電装置一式を建設し、セメント企業に対し、生活ごみ、汚泥、石炭灰、ボタ等の廃棄物利用量を向上させる。
――電力業。小規模石炭火力発電機の閉鎖・停止を更に進め、強力に水力発電と高参数・大容量火力発電を発展させ、電源割合を最適化する。閉鎖・停止する火力発電ユニット10万kw、「石柱」「奉節」「双槐」二期等大規模ユニット建設の前期段階を推進する。「草街」の40万kw、「銀盤」の60万kw、「白馬」の38万kwなどの水力発電ユニットの建設を迅速に進める
――化学工業。“天然ガス利用の付加価値を高め、産業チェーンを伸ばす”ことを核として、劣後生産技術を淘汰し、乾式アセチレン製法、カーバイドスラッジ利用セメント生産等技術を普及し、余熱・余圧利用を向上させ、コジェネレーション発電を推進する。
3.重点企業の省エネルギー
年5,000t標準炭以上を使用する重点エネルギー使用企業の省エネ管理を重点的に強化し、企業のエネルギー消費計量施設と省エネ管理制度を整え、エネルギー使用オンラインモニタリング重点設備と企業のエネルギー管理システムを構築して、エネルギー検査を引き続き展開する。重点企業の省エネルギーに関する特定項目の行動を組織的に実施し、企業による省エネルギー診断の実施、エネルギー効率ベンチマーキングの推進、企業のエネルギー管理人員の育成を強化する。国家・市レベルの重点エネルギー使用企業74社による省エネルギー・節水・節材と資源総合利用に関するモデル事業を誘導し、基礎力のある潜在力の大きな産業からリーディングカンパニーを選択し、「資源消耗ゼロ、廃棄物ゼロエミッション」を主要スローガンとして省エネ・環境保護企業トライアルを展開し、重点エネルギー使用企業の節約発展の活路を模索する。