【参加報告】中日(成都)地方発展協力モデル区主催「東京デジタルコンテンツ産業交流会」(9/16・東京)

2026/9/24 プレゼンテーション資料を追加
2026/9/17 初版掲載

2026年9月16日、当協会は、中日(成都)地方発展協力モデル区が主催する小規模座談会「東京デジタルコンテンツ産業交流会」に出席しました。

以下に一部内容を共有いたします。賛助会員の皆様におかれましては、日中ビジネス協力のホットトピックの1つであるデジタルコンテンツ産業の現状と課題、展望につき、理解の一助としていただければ幸いです。

ご参考:本交流会の実施機関(株式会社コンスタンス)による参加案内

背景・目的(主催者による参加案内状より引用)

 2026年9月、東京では日本最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ(TGS2026)」が幕張メッセにて開催されます(会期:9月17日〜21日)。会期中は世界中のゲーム・アニメ・デジタルコンテンツ産業の企業、投資家、メディアが一堂に会します。

 成都高新区(成都高新技術産業開発区)は、中国西部を代表する国家級高新区産業開発区であり、ゲーム・アニメ・電子競技・動画コンテンツ等のデジタルコンテンツ産業において、中国国内でも有数の産業集積地としての地位を確立しています。国内有力ゲーム・エンターテインメント企業の開発拠点やスタジオが数多く集積し、中国の代表的なコンテンツ産業クラスターを形成しているほか、質の高いクリエイター・エンジニア人材の輩出地としても知られています。あわせて、パンダ文化をはじめとする豊富な観光・文化資源を背景に、独自IPの開発や海外展開に強みを持つ企業も育っており、コンテンツ制作から技術開発、海外進出支援に至るまで一貫した産業支援体制を整えています。

 このタイミングを捉え、会期直前にあたる9月16日(水)、東京都内にて小規模形式の日中デジタルコンテンツ産業交流イベントを開催いたします。成都高新区区のデジタルコンテンツ企業と日本市場との実質的な連携チャネルの構築を推進するとともに、日本のIP・エンターテインメント分野の中国現地における協業機会の回復・拡大を模索するものです。

成都高新技術産業開発区の紹介

株式会社コンスタンス(本交流会の実施機関/中日(成都)地方発展協力モデル区の海外企業サービスプラットフォーム)より、成都高新技術産業開発区(成都高新区)の概略について説明がありました。

  • 成都高新区は、成都市の中でも経済発展が最も進んだエリアの1つであり、成都および中国西部地域の産業発展、科学技術イノベーションを牽引する重要な拠点である。
  • 成都高新区の全域は「中日(成都)地方発展協力モデル区」に位置づけられている。中国全土にある中日地方発展協力モデル区は複数あり(※編注:大連、天津、青島、蘇州、上海、成都)成都はその中でも内陸部を代表するモデル区として、対日交流・対日協力の先導的役割を担っている。
  • 同モデル区は、中日双方の地方間協力を深めるための試験的・先導的なプラットフォームであり、特に中国西部と日本との経済、産業、文化面での連携を推進している。
  • 成都高新区では多様な産業が発展しており、その1つがデジタル・クリエイティブ産業である。区域内にはテンセントなどの大手企業に加え、アニメ映画『哪吒之魔童降世(ナタ:魔童降臨)』を制作した可可豆動画など、優れたコンテンツ企業が集積している。
  • テンセントの『王者栄耀』や、可可豆動画による『哪吒』シリーズのように、成都発のデジタルコンテンツやIPは、中国国内だけでなく海外市場にも広がりつつある。『哪吒』シリーズについては、日本側の配給・宣伝協力により、日本の観客も劇場で鑑賞できる機会を得た。
  • デジタル・クリエイティブ以外にも、成都高新区では電子情報、ハイエンド製造、エネルギー関連産業などが重点的に育成されている。これらの産業を発展させるため、スタートアップ支援、創業支援、コンテストやインキュベーション施策にも力を入れている。
  • 日本企業とのオープンイノベーションも重要な取り組みである。オリックス、リコー、ソニー、神戸製鋼所、日東電工、横河電機、オムロンなどの日本企業が連携し、成都でイノベーション関連のコンテストや交流事業を実施している。
  • こうした取り組みは、成都高新区の技術革新を促進するとともに、現地スタートアップの成長支援や、日本企業との事業連携の創出にもつながっている。
  • 成都高新区は、日本企業の中国・西部地域での事業展開支援にも取り組んでおり、在重慶日本国総領事館、日本の商工倶楽部、川渝地域の日本企業団体などとも交流・協力を進めている。
  • グリーンエネルギーや環境関連分野でも、日本企業との協力が進んでいる。三菱系企業をはじめとする日本企業との意見交換やプロジェクト連携を通じて、低炭素・グリーン産業の発展を目指している。
  • 総じて、成都高新区および中日(成都)地方発展協力モデル区は、デジタル・クリエイティブ、電子情報、先端技術、グリーン産業などを軸に、中国西部と日本を結ぶ産業協力・イノベーション交流の重要な拠点となっている。
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フリーディスカッション

成都高新区および中日(成都)地方発展協力モデル区を背景に、成都市のデジタルコンテンツ産業、日中企業の協力可能性、海外展開の課題などについて意見交換が行われました。

  • 成都のデジタルコンテンツ産業については、アニメ、ゲーム、IPビジネス、グッズ展開などが注目分野として挙げられた。中国発のアニメ映画やゲームが海外市場で存在感を増しており、日本市場での配給・配信、ポップアップストア、関連商品の販売などを通じて、日中間の接点が広がっているとの発言があった。
  • 中国コンテンツの日本展開を担う企業から、『羅小黒戦記』など中国アニメ映画の日本配給実績や、ゲーム・アニメ関連グッズの海外展開について紹介があった。日本、マレーシア、北米などに販売網を広げ、中国コンテンツだけでなくアジア全体のIPを海外に紹介しているという。
  • ゲーム分野では、ローカライズ、翻訳、Q&A、音声収録、カスタマーサポートなどを担う企業から、日中ゲーム産業の変化が語られた。日本のゲーム産業は歴史と世界的ブランド力を持つ一方、中国のゲーム企業は近年急速に成長し、海外展開を強く志向しているとの指摘があった。
  • 中国ゲーム企業の海外進出が加速した背景として、中国国内の「版号」制度の影響も挙げられた。国内での新作ゲーム承認に制約があった時期に、成長を求める企業が海外市場を開拓し、結果としてグローバル対応力やローカライズ需要が高まったという見方が示された。
  • 中国市場の重要性については、巨大な消費人口と購買力が最大の魅力とされた。近年、日本企業の関心はインドや東南アジアにも向かっているが、コンテンツ消費市場としての中国の存在感は依然として大きいとの意見があった。
  • 中国の消費者については、海外文化への関心が高く、国産・海外産を柔軟に選ぶ傾向がある一方、近年は「国潮」と呼ばれる国産ブランド・中国文化志向も強まっているとの指摘があった。選択肢の多さと消費者の多様性が、中国市場の特徴といえる。
  • IPグッズ分野では、中国で正規品を購入する意識が高まっている点が評価された。かつては海賊版が多かったが、現在はファンほど正規品を選ぶ傾向が強く、著作権意識の向上が市場成長の大きな要因になっているとの発言があった。
  • 一方、東南アジアやインド市場では、人口規模や成長性は大きいものの、価格感度が高く、海賊版も依然として流通しているため、正規品ビジネスの定着には時間が必要との見方が示された。そのため、日本・北米では新商品を、東南アジアでは価格を抑えた商品を展開するなど、市場別戦略が必要だという意見もみられた。
  • 日中企業協力の課題としては、外交関係以上に、企業文化や意思決定プロセスの違いが挙げられた。中国企業は経営トップが迅速に動き、戦略や技術導入を重視する一方、日本企業は現場や段階的な合意形成を重んじる傾向があり、相互理解が不可欠との提起があった。
  • ビジネス協力を進めるうえでは文化交流が基盤になるとの発言もあった。成都と日本各地の産業・文化交流を深めることで、デジタルコンテンツに限らず、投資、貿易、地域間連携へと協力の幅を広げられるという期待感が示された。

訪日企業の発言

四川数字出版伝媒有限公司

四川省系の国有企業傘下のデジタル出版・産業支援会社。出版・ゲームを含むデジタルコンテンツ分野で、政策調査、産業支援、企業連携、政府関連の相談対応などを担っている。成都はゲーム制作・開発・サービス企業が多い一方、IP運営やパブリッシング企業が比較的少ないため、発行、運営、海外展開、特に日本市場向け展開での協力を期待している。日本企業に対しては、成都進出時の現地企業連携、政策活用、制作標準や運営面での協業を呼びかけた。

成都夏爾天逸科技有限公司

2005年設立、約1,200名規模のゲーム開発・制作会社。主な事業は、中国民族文化を題材にした自社開発のシングルプレイゲーム、IPカスタマイズ・共同開発、ゲーム向け美術制作の3分野。すでに10か国以上の大手ゲーム会社と戦略的協力関係を持つ。日本市場では、自社ゲームの現地パブリッシャーを探しており、あわせて日本企業との共同開発、IP提携、アート制作、グローバル展開に向けたパートナーシップ構築を希望している。

成都観枢人工知能科技有限公司

自社企画ゲーム、AI技術、ゲーム関連サービスを展開する企業。現在、成都の古蜀文化、金沙遺跡、三星堆文化などを題材にしたアクション系インディーゲームを開発中で、日本での発行、メディア露出、コミュニティ運営、ローカライズ、宣伝面での協力を求めている。また、プレイヤー画面をリアルタイムで認識し、攻略や操作を支援するAIゲームアシスタントも開発している。さらに、Steam上で人気の『Counter-Strike 2』関連の仮想アイテム・スキン取引サービスにも取り組んでおり、日本・欧米・南米など海外市場での提携を希望している。

四川語言橋信息技術有限公司

20年以上の実績を持つ言語サービス・翻訳技術企業。「言語の橋渡し」を掲げ、翻訳、ローカライズ、言語サービス、翻訳プラットフォーム、AI翻訳技術などを展開している。ゲーム、出版、デジタルコンテンツの海外展開において、日中間および多言語間の翻訳・ローカライズ支援が可能。日本企業に対しては、中国市場向けの翻訳、ゲームやコンテンツのローカライズ、AI翻訳技術の活用、日中企業間のコミュニケーション支援などでの協力を期待している。

本件お問い合わせ

日中経済協会業務部(担当:澤津)
 E-mail: naoya.sawazu[at]jc-web.or.jp ※[at] は@に変換ください。
 TEL: 03-5545-3113
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