対話山東2022―日本・山東シルバー産業協力交流会

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対話山東―シルバー産業協力交流会

 

開催報告

開催報告
 
 本日、山東省人民政府らの主催により「対話山東2022―日本・山東 シルバー産業協力交流会」が同省済南市の会場(+オンライン)にて開催され、当協会は協力機関として参画しました。
 
 開幕式では冒頭で周乃翔省長らが挨拶したほか、李干傑書記が日本貿易振興機構(JETRO)及び1984年に同省と友好提携を締結した和歌山県とそれぞれオンライン会見を公開形式で実施しました。その後は企業らによるパネルディスカッションや午後にオンラインマッチング商談会が開催されました。
 
 今回のテーマであるシルバー産業は、中国において従来より省エネ・環境やスマート製造などとともに重点分野と位置付けられており、とりわけ1億人の常駐人口を誇る山東省では同分野においても対日協力ニーズが高いことが改めて伺えました。日中経済協会としては、今後もこれらの重点分野における対日協力ニーズなどに注目していきたいと思います。
 
※山東政事の報道(WeChat公衆号):https://mp.weixin.qq.com/s/yklgpKb4WIQWvBuCRxojwA
※午前の「主催者及び来賓挨拶」及び「オンライン会見」の様子はページ下部を参照
※開催報告に関する問い合わせ:山田(03-5545-3113 / taira.yamada[at]jc-web.or.jp)
 [at]は@に変更して送信してください
 
                          ー 記 ー
 
日時:2022年8月24日(水)日本時間10:00~13:00
形式:済南会場(+オンライン)
主催:山東省人民政府、中国国際貿易促進委員会、独立行政法人日本貿易振興機構
協力:一般財団法人日中経済協会ほか
次第:下記参照
 
第一部 ※敬称略
 司会:山東省副省長、山東省政府共産党組織委員会 江成
<主催者及び来賓挨拶>
 中国共産党山東省委員会副書記・山東省人民政府省長 周乃翔
 中国国際貿易促進委員会会長 任鴻斌 ※事前収録
 元内閣総理大臣、東アジア共同体研究所理事長 鳩山由紀夫 ※事前収録
 在青島日本国総領事館総領事 井川原賢
 中華人民共和国駐大阪総領事館大使級総領事 薛剣 ※事前収録
<オンライン会談>
 中国共産党山東省委員会書記 李干傑×日本貿易振興機構 理事長 佐々木伸彦
 中国共産党山東省委員会書記 李干傑×和歌山県知事 仁坂吉伸
<覚書への調印>
 中国代表:中国共産党山東省委員会副書記・山東省人民政府省長 周乃翔
 日本代表:日本貿易振興機構 理事長 佐々木伸彦
<基調講演>
 山東省衛生健康委員会党組書記、山東省中医薬管理局局長 馬立新
  「健康促進、明るい未来へ―シルバー産業のハイレベルな発展を推進」
 在中国日本国大使館経済部・領事部 一等書記官 福田夏樹(厚生労働省出身)
  「日本の高齢化対策の経験」
<協力プロジェクトへのオンライン調印式>
 計14件のプロジェクトが調印・披露された

〇第二部 ※敬称略
 司会:山東省電視台アナウンサー 李毅
<企業経営者による日中シルバー産業協力に向けての提言>
 一般社団法人中日介護事業推進協会会長 王洋
 泰安市中心医院(山東省)党委書記、院長 倪慶賓
 楡悦家紡有限公司(山東省)董事長 劉曰興
 ピースクルーズ株式会社代表取締役社長 田中知世子
 上海愛志旺株式会社(上海市 日系)総経理 彭雨
<パネルディスカッション:日中企業協力の新たな可能性や課題解決方法を探る>
 全国老齢工作委員会弁公室元副主任 復旦大学老齢研究院副院長・教授 呉玉韶
 世界中医薬学会連合会 医療・介護連携専門委員会会長 陳玉琢
 野村総研(上海)有限公司 板谷美帆氏
 淑徳大学 総合福祉学部社会福祉学科 教授 結城康博
 世界中医薬学会連合会 医療保健統合専門委員会 副委員長 宋剣勇
 

主な発言内容(主催者及び来賓挨拶)

主な発言内容(主催者及び来賓挨拶)
 
周 乃翔 中国共産党山東省委員会副書記・山東省人民政府省長
 山東省は人口、経済、資源、文化で優位性を持つ省である。経済指標ではいずれも全国平均を上回り、足元では省内で数多くの試験区、保税区、経済開発区を持つなど、その発展の潜在力は大きい。
 シルバー産業については、山東省は1億人を超える人口を持つ省として、高齢化に対応する産業基盤がすでに整備されている。省内の介護用ベッド数や医薬品販売数などの数字を見ても、全国レベルで上位に位置している。
 今後の対日協力に向けて、産業基盤の構築、知見ノウハウの共有、事業間の連携を強化することで高効率かつ持続可能な発展の実現、そして人材育成の4点を強化していきたい。
 
任 鴻斌 中国国際貿易促進委員会会長(事前収録)
 シルバー産業において、日本は制度整備や産業構造に大きな強みを持ち、これに対して中国は巨大な市場を提供することができる。日中両国で高齢化が進む中、本イベントの開催は時勢にかなうものである。
 本年は中日国交正常化50周年であり、当委員会も設立70周年を迎える。引き続き、外資企業のために中国国内のビジネス環境を向上させ、新たな原動力を注ぎ、中日の経済協力に貢献していきたい。
 
鳩山 由紀夫 元内閣総理大臣、東アジア共同体研究所理事長(事前収録)
 日中間で産業、とりわけ実務協力を行う上でRCEPの発効には大きな意義がある。その中で、シルバー産業は日本と中国の経済貿易関係の大きなポテンシャルを解き放つ分野であると考える。
 日本と中国はそれぞれカーボンニュートラル目標を発表し、日本では再生可能エネルギーの活用に向けた検討や取り組みが進んでいる。このような時代だからこそ、日本と中国は協力を強化すべきである。
 
井川原 賢 在青島日本国総領事館総領事
 山東省は省内の発展に向けた複数の構想をすでに打ち出しており、日本からの山東省に対する投資額も増加傾向にある。シルバー産業については、日本は中国よりも先に高齢化社会に突入したが、現在の中国では高齢化率は高齢者人口の数字を見ても高齢化が速いスピードで進行しているが、その状況下で山東省はシルバー産業を重点分野に位置づけ、先進的な取り組みを展開している。
 今後は山東省の既存の取り組みを活用しながら日中協力を強化し、日中国交正常化50周年の雰囲気の中でさらに交流が深化することを希望する。
 
薛 剣 中華人民共和国駐大阪総領事館大使級総領事(事前収録)
 中日国交正常化50周年及びRCEPという大きな背景のもとで、山東省は中国における対外開放の窓口であり、対日協力の盤石な基礎を持つ省である。
 シルバー産業について、高齢化は中国と日本の共通の課題であり、同産業における中日協力は時勢にかない、多くの恵みをもたらす。日本は様々な知見やノウハウを持ち、中国は市場を提供することができるので、さらなる協力強化を期待する。
 

主な発言内容(オンライン会見)

主な発言内容(オンライン会見)
 
李干傑 書記×佐々木伸彦 日本貿易振興機構理事長
(李書記による主な発言内容)
 習近平国家主席のもとで、新型コロナウイルス感染症対策(水際対策、動態的ゼロコロナ戦略、パンデミックの予防)、経済の安定性(各種指標で全国上位を占める)、経済発展の維持に取り組み、一定の成果を挙げてきた。
 日本と山東省の経済協力は拡大傾向にあり、省内のビジネス環境も改善・向上している。山東省に対する投資額や経済往来が伸びているのは、その表れだと考えている。今後に向けて、以下3点を提案したい;
 1.協力分野の拡大。今後はバイオ医薬、新エネルギー車、次世代情報技術などの重点分野に協力を拡大し、サプライチェ
   ーンの互換性を強化したい。
 2.交流プラットフォームの強化。とりわけハイレベル交流を強化が重要だと考えており、本日のイベントでの交流もその
   一環だと思っている。
 3.新たな発展に原動力を注ぐ。省内では中小企業やスタートアップ企業に注力しており、とりわけ日中の中小企業による
   協力強化の仕組みづくりに取り組みたい。中小企業間の協力は質の高い発展につながると考えている。
 
(佐々木理事長による主な発言内容)
 この後山東省と更新するMOUは今回で3回目の更新となり、本件を含めて山東省の日常的な交流に改めて感謝を申し上げます。当方からは、以下3点;
 1.ヘルスケア・シルバー産業について。昨年6月に青島で開催された「ボアオアジアフォーラム・グローバル健康博覧
   会」でヘルスケア分野のジャパンパビリオンを設置してオンライン商談の場では多くの山東企業が参加した。
 2.後ほど更新するMOUについて。山東省内で日中企業間の連携協力の推進を新たに盛り込んだ。具体的には食品加工分
   野の企業交流会を開催予定であり、同省市場の製品の高付加価値化に貢献したい。
 2.交流形式の変化について。コロナ禍でオンラインなどのデジタル技術によりビジネスが進化している。従来型のリアル
   形式から、現在ではEコマース分野を業務の中心に位置づけている。
 3.ビジネス環境整備について。山東省人民政府とは定期的に日本企業との対話を行い、昨年12月にも意見交換会を開催し
   た。副省長をはじめとする山東省側と有意義な意見交換ができ、省内のビジネス環境のさらなる向上や、山東省のブラ
   ンド向上に繋げていきたい。
 
李干傑 書記×仁坂吉伸 和歌山県知事
(李書記の主な発言内容)
 山東省は「双循環」や「ダブルカーボン目標(2030年ピークアウト、2060年カーボンニュートラル)」のもとで、経済のさらなる発展のチャンスをつかみたい。私たちは習近平国家主席の指示のもとで、コロナ対策、(コロナ禍での)経済発展、そして経済発展の安定化に取り組んでおり、山東省は関連する経済指標を見ても全国で上位の実績を挙げている。
 山東省は和歌山県と友好提携を締結してから30年以上にわたり、市レベルを含めて公務員交流など各分野の交流・協力を強化してきた。今後に向けて4点提案したい;
 1.産業協力の強化。とりわけスマート製造、ヘルスケア、新エネルギーなどの重点分野で質の高い発展を実現し、産業チ
   ェーンやサプライチェーンの相互連携により産業の高度化を図りたい。
 2.経済貿易の往来拡大。具体的には、デジタル経済やEコマースなどの新しいツールを活用し、商談会などの機会を拡大
   したい。
 3.グリーンで低炭素な発展の実現。これは昨今のトレンドそのものであり、とりわけエネルギー分野の協力を強化した
   い。省内では洋上風力発電などで9件のプロジェクトを推進しており、中国と日本でともにグリーン経済を推進し、ひ
   いては世界の気候変動問題の解決に貢献したい。
 4.人文交流の強化。今年4月に「日中友好スタンプラリーin関西」が和歌山県を皮切りに関西2府4県で成功裏に開催さ
   れた。これらの交流も今後も継続することで、2国間関係にも貢献したい。
 
(仁坂知事の主な発言内容)
 和歌山県をはじめ、日本は歴史的に中国から大きな影響を受けている。その象徴として、県内に徐福公園、(唐の高僧・為光上人が開いた)紀三井寺、高野山などの名所がある。
 そもそも和歌山県と山東省の交流については、国交正常化前から和歌山県日中友好協会が盛んに活動しており、さらにその後廖承志先生が「中日友好千年萬年」と記した書を同会に贈るなど長い交流の歴史がある。
 私が知事に就任してから団を組織して山東省を訪問し、現地で各分野の協力を強化しようと呼びかけた。当時、山東省は著しい経済発展の一方で公害問題に苦しんでいた。そこで、同じく公害問題を経験した日本として何かできないかと思い、訪日団の受け入れや関連分野での技術交流などを行った。その後、2019年には友好提携の締結から35年を記念してシルバー産業の事業者を連れて再度山東省を訪問し、現地で交流セミナーなどを実施した。その際にも感じたが、山東省は常に“次の目標”を理解して行動しており、その姿勢をとても尊敬している。
 今例示したシルバー産業は公害問題と異なり、日本と中国が同じ時期に直面する課題である。そのため、日本が一方的に教えるのではなく、日本も山東省から多くのことを学ぶ機会だと考えている。ほかにも、コロナ禍ではあるが、観光業や青少年交流についても今後盛んに展開していきたい。
 

対話山東2022―日本・山東シルバー産業協力交流会

対話山東2022―日本・山東シルバー産業協力交流会
 
2022/7/21 Upd.
 
7月27日(水)で開催を予定しておりました本会は、主催者側の都合により延期になりました。
 
●変更後の日時
日時:2022年8月24日(水)日本時間10:00~12:50
※プログラム内容・時間に変更はございません。
 
●「マッチング商談会」につきましては予定通り7月29日(金)に行われます。
 
●申込期限が7月22日(金)12時までに延長されています。
 
●Zoomの会議室情報や商談会の時間につきましては、お申込みいただきました企業様に個別でに連絡いただけるということです。
 
詳細は、以下のPDFの延期通知(中文のみ)をご参照くださりますよう、お願い申し上げます。
 
以上
 

 
 
山東省人民政府らの主催による「対話山東2022―日本・山東シルバー産業協力交流会」が7月27日(水)10:00~18:00(日本時間)にオンライン形式(Zoom)にて開催されます。
 
第3回目となる「対話山東」シリーズですが、日中経済協会はこれまでも参与してまいりました。
第2回・2021年 https://www.jc-web.or.jp/publics/index/987/
 
本年は日中のシルバー産業の現状、政策や制度、日中協力のニーズ等を探ることをテーマに、再生医療、医療機器、介護人材育成、介護施設や老人ホームの経営・管理、リハビリ器具・介護用品の研究開発などの分野で日本企業とのビジネスマッチングに期待しているということです。
 
各位におかれましても、是非ご視聴くださりますよう、ご案内申し上げます。
 
詳細は添付案内状をご参照ください。
 
お申込み(〆切:7月20日)・お問合せは、添付申込書に記載の運営事務局:(株)ゴールデンブリッジ宛てにお願いできればと存じますが、日中経済協会(担当:澤津、TEL:03-5545-3113、E-mail:naoya.sawazu[at]jc-web.or.jp ※[at]→@)宛てにも、ご遠慮なくご連絡くださりますよう、よろしくお願い申し上げます。
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