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年度報告・計画

 

2016年度事業計画

2016年度事業計画
 
Ⅰ.東北4省区の経済概況

1.遼寧省

() 現在、『東北旧工業基地のイノベーション、創業の発展を促進し、新たな競争力のある優位性を創造するための実施意見』のもとで「遼寧省沿海経済ベルト開発計画」、瀋陽新型工業モデル区、遼寧西北地区開発計画、中独ハイエンド設備製造産業園等などのプロジェクトを推進している。

4大基幹産業として石油化学、機械、冶金、電子があり、同省の旧工業基地振興計画では「2大基地(プラント製造業基地と原材料基地)、3大産業(ハイテク、農産物加工、現代サービス業)」を建設目標としている。

13次五ヶ年計画(20162020)における同省政府の社会経済の発展目標は、イノベーション能力の強化、経済の構造転換とグレードアップ、改革と対外開放の推進等である。

 

() 20161月の同省政府工作報告によると、同省の2015年のGDPは対前年比3%増(全国最下位)28,700億元であった。固定資産投資額は17,600億元、同26.6%減、社会消費財小売総額は同7.9%増の12,800億元、輸出入額は同23.3%減の960億ドルで、うち輸出額508億ドル(8.6%減)だった。実行ベースの外資利用額は同81.0%減の51億ドルだった。都市1人当り可処分所得は同5.6%増の31,126億元、農村1人当り可処分所得は同6.3%増の12,057億元で、都市の登記失業率3.4%であった。サービス業のGDP比率は45.1%、都市化率は67.4%だった。

 

() 2016年の主要目標としてGDP約6%成長(昨年の目標約6%)、固定資産投資額は対前年比6%増、財政収入は同3%増、都市1人当り可処分所得は同6%増、農村1人当り可処分所得6%増、都市部の登記失業率4.5%以内を掲げている。

 

最近の政策は[資料2]東北4省区の2016年の目標のとおりである。

 

2.吉林省

() 現在、東北振興政策のもとで「長吉図(長春、吉林、図們江)を先導区とする図們江地域協力開発計画」(大図們江地域開発計画)、琿春国際協力示範区等を推進している。

5大基幹産業として自動車(一汽集団)、石油化学、電子、食品、医薬工業があり、同省の旧工業基地振興計画では、自動車、石油化学、農産物加工、現代漢方薬・バイオ製薬、ハイテクの「5大産業基地」を建設目標としている。

東北地方の農業省として重要な食糧生産地の一つであるため(主要農産物:トウモロコシ、大豆、コウリャン、コメ)、今後の産業目標は農産物の品質向上、コストダウンであり、食品加工業、畜産業、「緑色食品」(自然・無公害食品)の育成が産業政策方針である。

 

() 20161月の同省政府工作報告によると、同省の2015年のGDPは対前年比6.5%増の14,274億元、固定資産投資額は同12.0%増の12,704億元、社会消費財小売総額は同9.3%増の6646億元、実行ベースの外資利用額は同12.7%増の85.7億ドル、都市1人当り可処分所得は同7.2%増の24,901元、農村1人当り可処分所得は同5.1%増の11,326元、都市部の登記失業率3.5%、食糧生産高は同3.2%増の3,647万トンだった。サービス業のGDP比率は37.4%だった。

 

() 2016年の主要目標としてGDP対前年比6.5~7%成長(昨年の目標約6.5)、財政収入は同2%以上増、固定資産投資額は同12%増、消費者物価上昇率同3%程度、都市1人当り可処分所得6.5~7%増、農村1人当り可処分所得6.5~7%増、都市部の登記失業率4.5%以内、GDP1単位当りエネルギー消費量3.2%減を掲げている。

 

最近の政策は[資料2]東北4省区の2016年の目標のとおりである。

 

3.黒龍江省

 

() 現在、東北振興政策のもとで哈大斉(ハルビン、大慶、チチハル)工業回廊産業配置総合計画」、ハルビン新区等を推進している。

3大基幹産業として機械、石油化学、食品があり、最近は、医療、電子情報、新材料を3大新興産業として育成している。同省の旧工業基地振興計画では6大基地(プラント製造、石油化学、エネルギー、農産物加工、医薬、森林工業製品加工)を建設目標としている。

農業分野では世界三大黒土地帯の一つで食糧生産量、大豆の生産・輸出量全国一の特色を生かし、近年は「緑色食品」(自然・無公害食品)の生産と商品開発に注力しており、同食品の生産量、商品数、認証数はすべて全国一である。

 

() 20141月の同省政府活動報告によると、同省の2015年のGDPは対前年比約5.7%増の15,083億元で、対ロシア投資総額は同1.8倍の41.7億ドルだった。都市1人当り可処分所得は同7.0%増の24,203億元、農村1人当り可処分所得は同6.1%増の11,095億元で、都市の登記失業率4.5%、消費者物価上昇率1.1%、食糧生産高は6,847万トンだった。サービス業のGDP比率は50.7%、都市化率は58.8%だった。

 

 

() 今年の主要目標としてGDP6~6.5%増(昨年の目標約6%増)、都市の登記失業率4.5%以内、都市1人当り可処分所得と農村1人当り可処分所得はGDPと同率、都市住民消費者物価上昇率3%以内、GDP1単位当りエネルギー消費量3.5%減を掲げている

 

最近の政策は[資料2]東北4省区の2016年の目標のとおりである。

 

4.内蒙古自治区

() 現在、東北振興政策のもとで工業のリニューアル、農業・牧畜業の現代化と都市化、新農村新牧畜業区の建設、「三農三牧」問題解決等を推進している。

本自治区のほとんどの土地は海抜約1,000mの高原である。主要産業は農業、綿羊・ヤギ・ウマ・ラクダなどの牧畜業および農産物・畜産品加工業である。主要な農産物の年産量は食糧2,827万トン、肉類252万トン、牛乳788万トン、羊毛12万トンであり、家畜は12,915万頭である。牛乳、羊肉、カシミヤの生産量は全国首位である。

また、鉄鋼業、鉱業、林業、化学工業が比較的に発展している。レアアース資源の埋蔵量は5,20021,000万トン、年産量は約3万トンで、中国の約60%を占めており、世界一である。石炭資源の推定埋蔵量は8,249億トンで、2015年の原炭の生産量は9.1億トンである。石油資源の確認埋蔵量は62,003万トンで、2015年の原油生産量は178万トンである。天然ガスの確認埋蔵量は17,544億mで、2015年の生産量は290億㎥、同年の液化天然ガスの生産量は129万トンである。2015年の発電量は3,928億kwhであり、同年の風力発電容量と風力発電量は、それぞれ2,424万キロワット、357億kwhで共に全国一である。2015年の太陽光発電量は31億kwhである。また、石炭直接液化が進められており、オルドス市で神華集団有限責任公司が石炭直接液化を行っており、2014年の第一四半期の製品油の生産量は26万トンであった。また、2015年に年産100万トンの生産能力の認証試験に合格した。

区都のフフホト市はカシミヤなどの毛織物工業で、第二の都市である包頭市は大型製鉄所とレアアース鉱山で有名である。国境地帯である北部の満州里市、中部のニレンホト市が国境貿易の窓口として開放されており、ロシアやモンゴルとの貿易が盛んである。

 

() 20161月の同自治区政府活動報告によると、同自治区の2015年のGDPは前年比約7.7%増の18,000億元であった。固定資産投資額は同14.5%増の20,134億元、財政収入は同7.1%増の1,843億元、社会消費品小売総額は同106%増の5,619億元、輸出入額は同21.4%増の145.5億ドル、都市1人当り可処分所得は同7.9%増の30,594億元、農村1人当り可処分所得は前年比8.0%増の10,776億元で、都市住民消費者物価上昇率1.1%、都市の登記失業率は3.6%だった。

 

() 今年の主要目標としてGDP7.5%増(昨年の目標約8%増)、固定資産投資額は同12%増、社会消費品小売総額は同9%増、都市1人当り可処分所得は同8%増、農村1人当り可処分所得は同9%増GDP、都市住民消費者物価上昇率約3%以内を掲げている。

 

最近の政策は[資料2]東北4省区の2016年の目標のとおりである。

 

 
Ⅱ.事業推進の基本方針

 

中国東北地方では東北振興政策のもと、交通インフラの大規模な整備が進められるなど一体的な経済開発が進められており、それを前提とした日中双方の経済ニーズのマッチングを目指して、協力事業の推進、会員サービスの充実等を図る。

 

1.最近では中国東北地方へ日本の自動車、化学、機械、建築、不動産、銀行、小売り等の企業が進出するケースが目立ってきている。

こうした状況のもと、中国東北各地との30年に及ぶ継続的協力関係、各省市政府機関幹部・関係者との人脈、瀋陽事務所を活用した日中間の新たなネットワーク作りを推進し、中方関係先との更なる関係強化を図る。

 

2.中国東北地方で深刻化しつつある大気汚染の改善のため、大気汚染ネットワーク事業を瀋陽以外の都市において展開することを検討する。

 

3.北東アジア経済委員会の活動を通じて、関連諸国の情勢を把握するとともに多国間協力を推進する。

 

2016年度事業計画

2016年度事業計画
 
Ⅲ.事業計画
  

1.「2016年日中経済協力会議」の開催

ア)現在、中国東北地方では交通インフラの大規模な整備が進められており、

   ここ3年間で各高速鉄道路線の開通が相次いでいる。大連-ハルビン間の高速鉄道が201212月に全長900キロメートルの南北縦貫ルートとして開通した。その後、各省の省都(瀋陽、長春、ハルビン)から横方向の東西の各都市に延びる高速鉄道および東北東部鉄道(普通鉄道)が開通し、東西南北を結ぶ鉄道網が完成した。それらは瀋陽-丹東(20159)、大連-丹東(201512)、営口-盤錦(2013年9月)、長春-吉林(201212)、吉林-琿春(図們経由)(20159)、ハルビン-チチハル(20158)である。また図們江貿易回廊の拡大[日本海横断国際フェリー航路、モンゴル国-内蒙古自治区間の両山鉄道計画]も進めらており、中国東北地方の一体的な開発の機運が一層高まり、物流、人、情報の動きが盛んになり、更なる経済発展が見込まれる。

    また、20156月、中国国務院は東北振興政策の成果を拡大し、東北地方の企業等がイノベーションにより新たな競争力を創造するために『東北旧工業基地のイノベーション、創業の発展を促進し、新たな競争力のある優位性を創造するための実施意見』(後掲の[資料1]を参照)を発表した。また、201512月に『東北地区等の旧工業基地の全面的な振興に関する若干の意見』を発表した。

    こうした現状に鑑み、日中間で関心の高いテーマに関して、日中企業間のマッチング促進を図るなど、より実務に即した日中企業間交流の拡大をめざす。

 

イ)当協会は15回目にあたる本会議を今年度は富山県において開催すべく関係者と検討を行っている。当協会は2012年はハルビン市、2013年は新潟県、2015年は瀋陽市で本会議を開催した。これらの会議の前後で、日本の自動車、化学、機械、建築、不動産、銀行、小売り等の関連企業が中国東北地方へ進出している。こうした日本企業の対中進出の現状を踏まえ、本会議のプログラムの充実を図っていくこととしたい。

 

ウ)今後の開催案

・日中企業間のビジネス交流を促進するという観点からビジネスニーズを重視したアプローチとする。具体的には、開催県や中国側を中心に会議のメインテーマ(例えば、省エネ環境、高齢化、ものづくり、企業誘致など)を提案してもらい、課題解決という形で日中経済協力会議の場を活用する。

・メインイベントとして、メインテーマに関して日中の代表者、専門家などを中心にパネルディスカッションを実施する。

・分科会(サブイベント)ではメインテーマに関して具体的なビジネス構築のためのプレゼンテーションや意見交換等を行う。(相互の関連プロジェクト等の把握、課題解決のための協議、パートナー探し等の事前準備を十分に行う)

・企業交流会では会議に参加する日中企業の個別面談等の具体的な要望を予め聴取して行う。

・開催の時期・場所

 開催時期:201611(検討中)

 場  所:富山県内

・主催者

日本側:日中東北開発協会、(一財)日中経済協会

中国側:遼寧省、吉林省、黒龍江省、内蒙古自治区の各省区人民政府

 

2.省エネ・環境分野における協力の推進

 (一財)日中経済協会では、省エネ・環境分野における協力の地方展開を、山東、天津、重慶、四川、安徽の各省等を対象として進めている。特に、2013年秋からスタートした大気汚染対策ネットワークでは、我が国の有する大気汚染改善についての知見や技術を紹介することを通じ、問題解決に貢献すべく、同年瀋陽市を訪問し、交流を行った。

当協会は、大気汚染問題が瀋陽、長春、ハルビンなどの東北各地で深刻化している状況に鑑み、大気汚染対策ネットワーク事業を瀋陽以外の主要都市において展開することを検討する。

 

3.中国東北各地との交流

相互の各種交流は日中双方のニーズも高く、全協会活動の基盤であり、実質的な交流を念頭におき、積極的に推進する。具体的には訪日代表団の受入、訪中代表団の派遣および日本における中国側イベントへの協力などを行なう。重要なイベントに関しては日本および中国現地企業から積極的に参加することを考えていくこととする。

 

  <参考>

    (1)東京での主なイベント予定

   ①黒龍江省経済貿易交流会(仮称)(団長:陸吴黒龍江省長)   512(予定)

   ②2016日本東京-中国吉林経済貿易交流会(団長:蒋超良吉林省長)時期未定

 

(2)中国東北各地の主なイベント予定

  第30回大連輸出入商品交易会              5

  第27回ハルビン国際経済貿易商談会(ハルビン)     615

  2016年国際那达慕(ナダム)大会」(内蒙古自治区オルドス)7月上旬

      ④2016綏芬河国際税関博覧会(綏芬河)         8

⑤2016大連日本商品展覧会(大連)            92325

⑥第15回中国国際設備製造博覧会(瀋陽)       9月1~5日

⑦「2016年遼寧瀋陽国際農業博覧会」(旧東北アジア(瀋陽)輸出品博覧

   会)91013

⑧2016北東アジア商品展覧会(長春)           9月末

        ⑨長春市日中韓企業商談会(長春)(市外事弁公室計画中) 時期未定

        ⑩第3回日中韓人文交流フォーラム(長春)         時期未定

 
Ⅲ.事業計画

4.コンサルティング活動、情報収集・伝達、広報活動および東北各地の日本工業団地等への投資促進

当協会が中国東北3省1区、各市等の政府機関、企業等との間で築いてきた信頼関係、諸知見を活用して、会員企業の個別の要望、照会等に対応する。

また、メールマガジン『日中東北』、日中経済協会発行の日中経協ジャーナルの中の「東北コーナー」および当協会ホームページに、中国東北地方とわが国との経済交流に関する最新情報を掲載する。

また、今年度も瀋陽事務所を最大限に活用し、大連、瀋陽、長春、ハルビン等への進出を検討している日系企業の動向を細かくフォローしてコンタクトを図り、東北各地の日本工業団地プロジェクト等への投資促進を進める。

 

5.北東アジア経済交流

(1)北東アジア経済委員会の開催

 当委員会は関係企業、有識者および中国・韓国・北朝鮮・ロシア・モンゴルとの交流促進を目的とするわが国の諸団体をメンバーとする組織であり、この特色を生かして、北東アジア経済交流に関する情報交換、コンセンサスづくりなどの活動を推進する。

 

 今年の検討テーマとして長吉図(長春、吉林、図們江)を先導区とする図們江地域協力開発計画、この地域とわが国とを結ぶ輸送、わが国企業の同地域への投資、ロシア極東とアジア・太平洋諸国との連携強化、モンゴルの石炭及びその他の地下資源開発、中朝の羅先、鴨緑江での経済協力などが考えられる。

 また、201312月に琿春-ロシア・ウスリースク(マハリノ)間の鉄道の運行が再開し、2015年は琿春の中ロ鉄道税関での総輸出入量が100万トンを超えたことから、一昨年当協会が派遣した図們江視察団の結果も踏まえ、今後も現地の状況を継続的にフォローする。

 

(2)その他

・日本海横断国際貨物船航路への協力

 日本海横断国際貨物船航路(ロシア・ザルビノ港~新潟港の往復航路)20118月に運行を開始し、約1年ほど運航したが現在運休中である。現在は就航にむけて国際フェリーの導入が関係者の間で検討されている。ザルビノ港ではロシア企業が今後食糧サイロや沖合いバースを建設し、日本等へ小麦などを輸出する計画を立案中である。

今後も当協会として、関連の諸活動に引き続き参画し、北東アジア輸送回廊ネットワーク(NEANET)や環日本海経済研究所(ERINA)等の関係団体と連携し、ザルビノ港の建設、陸上輸送インフラの改善、本航路の利便性の向上等の関連情報を会員に提供する。

 

6.瀋陽事務所の活動計画

 (1)各省・市の対外経貿部門、外事弁公室、発展改革委員会、工業信息委員会、国貿促、環境庁、民政庁など関係部門との協力関係を更に強化する。特に、東北地域における循環経済、シルバー・ヘルスケア関連プロジェクトの開発、協力に注力する。

また、在瀋陽日本国総領事館を始め、各地の日本人会や日本商工会他からの進出企業に対するビジネス支援要請、進出相談に積極的に対応する。このほか、在瀋陽日本地方自治体交流プラットフォーム(2010年開設、各県の観光等の展示ホール)や「日中中小企業投資ビジネスサポートセンター」(2011年瀋陽に開設、各県の物産等も展示)に対して、今後も継続的に協力を行い、各地方自治体の観光、物産のPRや日中の地域間交流の拡大に努める。

 

 (2)東北振興政策の主要プロジェクトのフォロー

1)遼寧省:遼寧沿海経済ベルト発展計画(旧5点1線計画)、瀋陽経済区、長興島臨海工業区、大連国家循環産業園区、丹東産業園区

2)吉林省:長春・吉林・図們江を先導区とする図們江地域協力開発計画日本海横断国際フェリー航路、長春興隆保税園区

3)黒龍江省:哈大斉(ハルビン、大慶、チチハル)工業回廊産業配置総合

  計画綏芬河総合保税区

4)内蒙古自治区:フフホト・包頭・オルドス経済圏沿黄河経済ベルト、通遼市錫林格勒盟の炭鉱、その他レアアース、有色金属鉱物資源開発

 

[資料1]東北の旧工業基地のイノベーション、創業の発展を促進し、新たな競争力のある優位性を創造するための実施意見(抄訳)

 

2015年6月に中国国家発展改革委員会は遼寧省、吉林省、黒龍江省、内蒙古自治区、大連市の発展改革委員会、科学技術庁(局)、人的資源社会保障庁(局)、中国社会科学院の関連機関に対して掲題の実施意見を発表した。その主要ポイントは以下の通りである。

 

1.イノベーション、創業の発展を促進するための体制とメカニズム

(1)東北の地方政府の関連部門で行政審査メカニズムの改革を進め、イノベーション、創業関連の審査、認証、費用徴収、評定・褒賞を全面的に整理・調整し、保留事項は社会に公表する。『遼寧省企業投資プロジェクト管理体制改革の試行法案』の要求により、鞍山市、瀋陽市鉄西区の投資プロジェクト管理体制改革の試行に特に力を入れ、その経験の複写と普及の全面的な実施を速やかに行う。

(2)健全な知的所有権保護メカニズムを構築する。特許、商標、著作権の法律執行を強化して、行政部門と司法機関の間の情報と意思疎通を強化する。重点産業、キーテクノロジー、基礎先端分野の知的財産権の保護を強化する。企業、産業技術連盟が特許データベースを構築すること、インターネットの研究開発、技術転移、検査・認証、知的財産権と標準、科学技術コンサルティングなどのサービスプラットフォームを建設することを支持する。各企業法人の財産権の保護を強化し、法律に照らして企業家のイノベーション収益を保護する。企業は法人財産権に基づき自主経営し、損益に関して自己責任を負い、法律に基づかない組織、個人の要求を拒絶する権利を有する。

(3)科学技術イノベーション資金分配メカニズムを築く。地方政府の科学技術計画を深めて(特定プロジェクト、ファンドなど)、管理・改革を深化させ、資源の統合を向上させ、明確な目標と功績・効果により誘導を行う管理制度を築く。地方財政の科学技術資金は科学技術型の中小・零細企業を支持することを更に強化し、社会資本と金融資本がイノベーション、創業を支持することを積極的に誘導する。

(4)国有企業改革を深めてイノベーション効率を上げる。東北地方に本社がある商業性の中央企業は、生産能力が過度に過剰である国有資本について、重要性、戦略性、基礎性、先導性を有する関連業種分野に向けて順序だった集中と調整を行う。東北各省(自治区)に所属する国有企業の責任者の考課制度を改訂し、業績考課における技術イノベーション指標についてその比重を上げる。

(5)民営企業を支持してイノベーション能力を高める。条件を有する民営企業が院士、専門家ワークステーションを設立し、科学研究基地建設を強化することを奨励する。

 

2.市場誘導の技術イノベーション体系を築く

(1)企業を主体とするイノベーションチェーンの統合を推進する

ロボット、軌道交通、石墨などの東北で現有する国家レベルの産業と技術イノベーション連盟が協同でイノベーションを展開することを支持し、産業発展の技術的ボトルネックを突破する。重点産業と技術イノベーション連盟(下記別表を参照)を重点とし、東北のイノベーションチェーンの統合を支持する。

 

   

 
Ⅲ.事業計画

 

別表:重点産業と技術イノベーション連盟

技術イノベーション戦略連盟名

重点都市等

開発技術等の内容

ロボット産業

瀋陽、ハルビン

産業用ロボット本体、システム集積、設計、試験検査のキーテクノロジー

軌道交通設備産業

長春、大連、

チチハル

研究開発、設計、製造、実験検証、運用維持、製品標準体系、完成車集積とアフターサービス能力アップ。

デジタル制御工作機械高速精密化

瀋陽、大連、

チチハル

スマートデジタル制御システム、オンライン検査、信頼性のキーテクノロジー

半導体設備産業

瀋陽、大連、

ハルビン

集積回路のキーテクノロジー、光電子の結晶材料のハイエンド設備技術、産業チェーン形成

航空設備産業

瀋陽、ハルビン

リージョナルジェット、ヘリコプター、無人機、汎用飛行機、航空機エンジンの研究と製造、設計、技術集積と試験のキーテクノロジー、国内航空機用アルミ材技術研究とプロセス化

ガスタービン産業

ハルビン、瀋陽

大中小の全シリーズのガスタービンの研究開発、製造、試験の産業基地の建設

現代農業牧畜業機械設備

佳木斯、チチハル、赤峰

研究開発と検証検査のプラットフォーム建設、大馬力エンジン、高効率収穫、精密種蒔き、農作物管理、飼料機械、関連部品のキーテクノロジー

カーボン産業

鶏西、鶴崗

既存の連盟の拡大、トップクラス人材、技術の導入、研究開発、試験、産業化レベルのアップ

新エネルギー産業

中国科学院大連化学物理研究所、大連理工大学研究開発センター

レドックス・フロー電池、リチウム電池、陽子交換膜燃料電池、原子力発電設備、風力発電設備のキーテクノロジー

バイオ製薬

長春、ハルビン、本渓、赤峰、通遼

遺伝子工学、新型ワクチン、現代内蒙古漢方薬の共通技術プラットホームの構築

朝鮮人参と北方の薬、内蒙古薬産業

長白山林区、大興安嶺林区

朝鮮人参、刺五加、五味子の漢方薬材の薬用・食用価値の研鑽

ジャガイモ産業

黒龍江、内蒙古

育種、生産、加工、QC、設備研究開発と産業化プラットフォームの構築、ジャガイモ主食製品の開発

大豆産業

黒龍江

大豆の新酵素製造、バイオ作油、蛋白質柔性化加工、機能化油脂製造設備、副産物高効率利用の共同キーテクノロジーの開発

乳業産業

東北地区

乳製品新プロセス、新製品、加工設備、品質制御、安全検査技術の研究開発。

 

(2)対外的なイノベーション協力を強化する。

ハルビン、長春、呼倫貝爾、丹東、延辺などの国家国際科学技術協力基地の建設を強化する。瀋陽の中独ハイエンド設備製造産業パーク、大連の中日韓循環経済モデル基地、大連の中級・高級技術産業協力重点地域を建設することを支持する。

 

3.大衆のイノベーションを促進する

東北地区でイノベーションインストラクター計画を組織して実施し、多くの高水準のイノベーションインストラクターチームを建設する。大学に対して、科学研究所などの事業所において専門技術者で職場を離れてイノベーションを行う者に対して、もとの職場の同意を得たのち3年以内は、もとの職場における職籍を残し、もとの職場の職員と同等に職務考課、昇進、社会保険などの権利を有すること許可する。また、大学生が学位修了を前提として休学してイノベーションを行うことを許可する。

 

4.産業競争力の新たな優位性を構築する

(1)インターネット+近代化農業」の発展を推進する。

インターネットと農業生産、経営、管理、サービスのそれぞれの部分を加速的に融合し、一群のネットワーク化、インテリジェント化、微細化の現代栽培パターンを育成し、新型の農業経営システムの建設を推進し、農産物の品質の安全保障、農業情報監視とアラームの管理サービス体系を構築する。ハイエンド緑色オーガニック食品産業を育成し、原産地呼称の農産物ブランドづくりに注力し、五常の米、大小興安嶺と長白山林区の林産特産物、内蒙古東部の牛羊肉、遼東の海産物などの国内外で有名なブランドを育成する。東北の良質な農畜産品の展示即売センターの建設を奨励し、インターネット経営を積極的に展開し、農産物の全行程にわたるコールドチェーン物流システムの建設を強化して、オンライン、オフラインでの融合発展を実現する。

(2)伝統的製造業の品質向上と効率アップを促進する。瀋陽、大連、長春、ハルビン、チチハル、葫蘆島などの先進的設備製造業を発展させ、電力設備、軌道交通、造船、海洋プラントなどの分野で世界レベルの産業基地を形成する。阜新の油圧、丹東の計器、メーター、鉄嶺と四平の専用車両、大慶の石油石化設備、霍林郭勒のハイエンドアルミ材などの産業群を構築することを支持する。瀋陽、大連、ハルビンでの軍民融合のモデルパークの設立を支持し、軍民両用のハイテク産業を発展させて、国家大型軍需工業プロジェクトを積極的に配置し、主機から部品までの完全な産業チェーン形成する。

(3)新興産業を大きく発展させる。瀋陽、ハルビンなどの産業用ロボットとインテリジェント設備の産業規模を大きくすることを加速推進し、優位性のある産業群を形成する。瀋陽飛行機、ハルビン飛行機等の企業と国際的な大型航空企業による重要プロジェクトにおける協力を展開し、瀋陽、ハルビンを国家レベルの航空産業基地に建設する。瀋陽、大連の集積回路の設計、製造および設備産業の発展を支え、集積回路の産業チェーンを形成する。長春の光電子、応用衛星、バイオ製薬などの新興産業の規模を拡大する。積極的に東北の2、3線都市の新興産業を振興させる。本渓、通化などの化学、医薬品、現代の漢方薬などの新品種の開発、産業化の加速を支持する。鶏西、鶴崗などで高純度石墨、グラフェンのハイエンド製品を発展させ、石墨と二次加工産業群を建設する。大慶、鉄嶺などでハイエンドカーボンファイバー、玄武岩繊維、ポリイミド繊維などの高性能繊維を発展させることを支持する。森林、草原、湿地、湖、氷雪、民俗、辺境などの資源の優位性を発揮し、国内で有名な生態系旅行地、養老・保養地を建設する。

(4)新業態の大発展を促進する。積極的に「インターネット+」行動計画を実施し、それぞれの業界の製品、生産ライン、サプライチェーンと商業モデルなどの結節部分をめぐって、業界を跨ぐイノベーション融合を展開する。積極的に電子商取引、サプライチェーン物流、インターネット金融などの新業態を発展させる。瀋陽のスマートシティ建設の加速を支持する。吉林市などの電子商取引モデル都市に対する支持を強化する。ハルビン、葫芦島、綏芬河の越境電子商取引(輸出)の展開を推進し、現地の非金融機関による第三者決済業務の展開を支持する。

 

5.イノベーション・起業精神に富む人材チームを建設する

人材を引き止めることを優先的位置に置く。東北地区の大学と科学研究所の科学技術成果の転化により得られた収益を科学研究責任者、重要技術者などの重要貢献人とチームに対する報奨として使用する比率は、50%より下回らないように引き上げることを許可する。大学卒業生向けのイノベーションファンドを設立することを奨励し、ファンド基金による補助、貸付、利子補給などの方式を通じて、大卒者が現地で就職して創業することを誘導する。

 

6.政策的保障と組織的実施の強化

(1)政策的支持を強化する。瀋陽、長春、ハルビン、大連などの都市で科学技術と金融の結合試行区の展開を促進することを支持する。一群の成長性があり、発展の潜在力が大きく、条件に一致する科学技術型の企業は優先的に上場させる。条件を満たす企業が社債を発行することや資産の証券化を通じて、融資ルートを開拓することを支持する。東北地区で外債のマクロ審議管理の試行を展開する。東北地区でベンチャー投資と地域的な株主市場を発展させ、サービス中小零細企業向け融資サービスを行う。政策性銀行、開発性金融機関、商業銀行とベンチャー投資、株式投資機関を結びつけ、投資と貸借の連動、債券と貸借が結合した融資モデルを探索する。東北中小企業信用再担保株式有限公司などの担保機構はイノベーション型企業に対する支持を強化する。東北地区の民間資本は法律に照らして民営銀行、インターネット金融機関等の発起設立を奨励し、中小零細企業と新興産業の発展を支持する。東北地区の金融機関が知的財産権(技術、製品とサービス)の質入れ、貸付を展開することを支持し、国家規定に一致していることを前提に既存の産権取引所が知的財産権取引を展開することを支持する。認定機関・地域を跨いで生産能力を移転するハイテク企業や移転先が認定するハイテク企業は、既存の所得税優遇政策を継続して享受できる。

(2)組織的な実施に特に注力する。発展改革委員会、科学技術部、人的資源社会保障部、中国社会科学院などの関連部門は職能、分担に照らし、イノベーション・創業の各政策措置の促進を着実に実行し、政策の合力を形成する。東北三省と内蒙古自治区人民政府の関連部門は責任主体として、イノベーションの推進を高度に重視し、具体的実施方案を制定して、担当部署を明確にし、責任分担によりこれを実行し、各省区の発展改革部門は半年に1回実施情況を一括して報告すること。

 

国家発展・改革委員会

科学技術部

人的資源社会保障部

中国社会科学院

2015年6月26日

 

出所:『東北の旧工業基地のイノベーション、創業の発展を促進し、新たな競争力のある優位性を創造するための実施意見』より抜粋

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Ⅲ.事業計画

[資料2] 東北4省区の2016年の目標

1.遼寧省

(1)発展の品質と効益を重視し、経済運営を合理的に維持する

徐大砦原子力発電所、大連インテル・ストレージ機器、忠旺生産基地などの重要プロジェクトの起工・建設を着実に行い、継続して中央企業、民間企業、上海企業の遼寧への企業誘致、契約、プロジェクトの起工を着実に行う。

工業の安定成長を促進し、企業の各種コストダウン、管理の効率化、販売促進等により収益を増やし、一定規模以上の工業付加価値額の約3%増を目指す。

積極的にシルバー・健康消費、情報消費、文化娯楽消費、ミドル・ハイエンド消費、観光レジャー消費、エコ消費を拡大し、社会消費財小売総額の約8%増を目指す。

あらゆる方法で輸出を拡大し、対外貿易の競争力をレベルアップし、国際販売ネットワークを築き、越境Eコマース、調達貿易、海外倉庫などを進める。「一帯一路」国家戦略と融合し、中国モンゴルロシア経済回廊の建設への積極的参加等により、輸出総額の約6%増を目指す。

 

(2)『中国製造2025遼寧行動綱要』を実施して、工業の構造改善を促進する

新興産業の育成と発展行動計画を実施し、ロボット、航空宇宙、バイオメディカル、省エネルギー・環境保護、新型の海洋プラントなどの戦略的新興産業のスピーディな発展を促進する。中独(瀋陽)ハイエンド設備製造産業園の建設を推進する。

 

(3)イノベーション駆動戦略を実施して、大衆イノベーション、民衆イノベーションを推進する

瀋陽と大連の国家自主イノベーションモデル区の創立を加速し、産業技術イノベーション・プラットフォームの建設を推進する。「インターネット・プラス」行動計画の実施に注力し、移動型インターネット、クラウドコンピューター、ビッグデータ、IOTなどと製造業を結びつけ、Eコマース、工業インターネットとインターネット金融の健全な発展を促進する。

 

(4)継続して三大地域(瀋陽の新型工業モデル区、遼寧沿海経済ベルト、遼寧西北地区)の発展戦略を実施し、全面的な対外開放の新構図を構築する

全力で瀋陽の新型工業化を行い、全面的なイノベーション改革の試験を系統立てて推進する。全力で大連の自由貿易実験区の建設を支持し、さらに対外開放レベルを高める。

遼寧沿海経済ベルトの開発と建設の推進を加速し、海洋資源の科学的開発、海洋の優位性を持つ産業を発展させる。

遼寧西北戦略の実施に注力し、全力で葫芦島、朝陽などの市と京津冀地区の経済技術交流・協力を支持する。大連荘可市の日中韓循環経済モデル基地、丹東市の国家重点開発開放実験区の建設を推進する

 

2.吉林省

(1)経済の安定成長に注力する

工業経済を安定的に成長させる。鉄鋼、セメント、石炭などの業種の過剰生産能力に対して、生産能力関連の各業務を着実に行う。

債務超過や長期の赤字を抱えるゾンビ企業は市場から退出させる。

前述の「五大プロジェクト」「四大プロジェクト」、松花江流域の総合水利工事、長春地下鉄1号線、東豊-双遼間等の3件の高速道路プロジェクト等を進め、全省の固定資産投資額を10%程度増加させる。バラック地区の改造を推進し、1年間で13万世帯を改造する。

Eコマース、シルバー産業、高級輸入商品などの市場を育成し、全省の社会消費財小売総額を9%程度増加させる。

 

(2)産業構造の改善等を推進する

吉林通用機械有限会社の20ユニットのロボット生産に注力する。軍民を結びつけて融和させ、長春光機と長光集団の専用無人機械の産業化を支持し、無人機産業の生産額を50%以上増加させる。自動車産業は重点的に車種をグレードアップさせ、「奔騰」シリーズの電気自動車などの新エネルギー自動車の産業化を推進する。「騰」など10タイプの新車種を投入し、全省で230万台の生産販売台数を実現する。吉林エアライン会社の創設を起動し、図們江デルタ国際協力区の開発を推進する。年間の観光客の受け入れを17%増加させ、観光収入を25%増加させる。

 

(3)双方向の対外開放のレベルをグレードアップする

自発的に国家の「一帯一路」戦略に溶け込み、長吉図戦略を東に向かって開放し、中国モンゴルロシアの経済回廊の建設に積極的に参加する。中朝の圏河―元汀の国境橋を完工して車を通し、ロシア・ザルビノ万能港などのプロジェクトを継続して実施する。琿春国際協力モデル区などのプラットフォームに特に力を入れる。「台湾企業を吉林へ誘致」、「世界トップ企業500社を吉林へ誘致」を組織するなど経済貿易活動を行う。実行ベースの外資利用額、域外からの資金導入をそれぞれ10%と12%増加させる。

 

3.黒龍江省

(1)現代農業の発展を加速し、第1、2、3次産業の融合を重視する

「二大平原」の現代農業総合配置改革を推進する。国家からの補助の申請と実質性な改革の推進を結び付け、食糧の総合生産能力を高めて国家の食糧安全保障の核とし、農業の産業化の発展と農民の増収を確実に促進する。近年の食糧の大幅な増産を基礎とし、強力に良質で高効率な農業、牧畜業、食品工業、農業金融などのサービス業を大きく発展させる。安全な緑色食品産業の発展計画を科学的に編制し、化学肥料、農薬、除草剤使用量を減らして、さらに多くの農産物を、緑色と有機栽培の基準に到達させる。経済作物の栽培面積を拡大する。多種類の穀物、牧畜製品、乳製品、経済作物と山の特産物を基礎とし、食品加工業を大きく発展させる。企業の再編合併とブランド戦略を通じて、強力に食糧の高度加工と販売、ビッグブランドと「インターネット+販売」で、より大きな付加価値を付け、収益を上げることを強力に推進する。

 

(2)拡大、増量を通じて、現有のストックと要素を活性化して、工業の構造転換を牽引する

基礎工業製品と川上の工業製品を拡大、増量する。中国石油公司の各生産能力拡大プロジェクトを着実に実行し、大慶忠旺のアルミプロジェクト、中糧集団の燃料アルコールプロジェクト、泉林の穀物藁・から、穀物茎総合利用プロジェクトを推進する。

ストックをグレードアップし、増量、拡張する。長安フォードハルビン自動車生産ラインの第4四半期における新車のラインオフを実現する。大慶ボルボのSPA車台の生産を開始させる。中小型ガスタービン、キャタピラ式全地形対応車の生産能力を形成する。ハルビン飛行機・エアバス複合材料製造センターの契約履行を加速する、ハルビン石化の能力拡張、増産目標を実現する。航空機解体基地建設プロジェクトを加速する。

ハイテクの成果と産業化で増量する。継続して「1,000社の科学技術型企業3年行動計画」を強力に推進して、科学技術型企業の新規の企業登記2,000社超を実現させる。航空宇宙科学工業院のハルビンチタン合金と3D印刷技術産業基地建設を推進する。強力にロボット、複合材料、カーボン産業の急速な成長を促進し、多くの戦略的新興産業、循環経済産業、ハイテク企業を育成する。

技術イノベーションと体制メカニズム刷新の両面の旗を高く差し上げ、省内大型国有企業および科学研究院と「中国製造2025」で細分化した23業種の間でマッチングを行い、我が省で優位性を持つ17の分野を指定して、混合所有制改革、資本市場とのマッチング等により、これをスピーディーに発展させる。

 

(3)サービス業の急速な成長を積極的に有効に推進する

観光業を強力に発展させる。夏期の生態系を活かした避暑、切り札としての冬季の氷雪旅行など、絶えず観光商品のレベルを高めて供給する。第一梯団としてのハルビン氷雪大世界・亜布力スキー場・雪郷の冬季観光ルートの基礎を継続的に強固にし、第2梯団としてのハルビンからそれぞれ大慶-チチハル、漠河北極村、牡丹江鏡泊湖、鉄力-伊春に至る4ルートの冬季観光ルートをPRする。

シルバー・健康産業の発展を加速するため、社会から同産業への投資を誘導し、重点的に18ヵ所の投資額1億元超の民営養老プロジェクトを推進する。

金融業の刷新と発展を推進する。継続的に国内外の大型金融機関の支店を省内に設立させることに努める。政府出資25億元、社会資本を帯同した100億元の黒龍江工業投資ファンドを創設し、第1四半期に営業を開始する。

情報サービス産業の発展を推進する。継続して「ブロードバンド黒龍江」戦略を実施して、オール光ファイバーネットワーク都市を造る。ネットワーク基地局2.5万ヵ所を新築する。中国移動、中国聯通、中国電信、大慶華為、ハルビン国裕、クラウド名気通などのビッグデータセンターの建設を加速する。

商業貿易、物流業の発展を促進する。大型卸売市場、農業資材配送センター、郵政宅急便集配送センター、コールドチェーン物流とハルビン航空物流センターなどの流通システムの建設を加速する。華南城・対ロシア経済貿易物流園区を建設する。ハルビン市の共同配送システムの建設を推進し、全省49ヵ所の大型農産物卸売市場と県レベルの農業貿易市場建設プロジェクトを推進する。

 

4.内蒙古自治区

(1)構造改革の推進と経済の持続的発展

過剰生産能力の解消をきちんと押し進め、有力産業の発展と過剰生産能力の解消を正しく処理し、抑制する生産能力の新産業への転換を合わせて実施する。長期の赤字で、資本の担保権のないゾンビ企業は速やかに合併再編あるいは破産整理を行う。実体経済における企業コストを引き下げる実際行動を展開し、規制の緩和、減税、金融サポート、流通体制の整備、電気代の市場化等で企業の取引、人件費、財務、物流、税制負担を引き下げ、企業の競争力をアップする。

少なくとも22万戸の都市部のバラックの改造を行い、住居の商品化による移転比率50%以上を目指す。

戸籍制度改革と居住証制度の着実な実施を急ぎ、住宅積立金を用いて農民が都市部の住居を購入する政策を支持し、土地の請負経営権及び宅地権を担保とし、金融機関が都市に移転する農牧民に住居購入融資を行うことを奨励する。

近代的産業建設へ向けて金融面のサポートを強化し、伝統産業の改造、新興産業の発展への資金の集積を行い、産業の構造転換を促進する。

金融改革への注力を強め、金融機関が信託運用、資産の証券化の方式で融資を拡大し、新規融資は2,000億元、うち直接融資は1,200億元を目指す。

 

(2)大型プロジェクト建設

135カ年計画期間中の固定資産投資は、1.5兆元(25兆円)以上を目指す。

石炭:二次加工を目指す。

電力:新規火力発電:2,700kw、風力太陽光発電:300kw、投資額は7,000億元。

交通:1級道路の重点事業を推進する。鉄道では、フフホト-銀川、包頭-西安等の高速鉄道計画の「第135カ年計画」入りを目指す。交通関係の投資額は1,250億元。

エネルギー:着工済の高圧配管網の完成を急ぐ。新たにシリンガル-張北、通遼-青州の超高圧配管網の着工を目指す。投資額は300億元。

水 利:節水灌漑工事を急ぐ。投資額は200億元。

都市建設:フフホトの地下鉄、包頭の地下鉄、各都市部の地下配管網等の建設を急ぐ。投資額は800億元。

社会事業・民生関係:投資額は1,750億元。                以 上

 

2015年度事業報告

2015年度事業報告
 
2015年度事業報告

Ⅰ.中国国務院による東北地方振興への支援について

2015年6月、中国国務院は東北振興政策の成果を拡大し、イノベーション、創業により新たな競争力のある優位性を創造するため、東北の旧工業基地のイノベーション、創業の発展を促進し、新たな競争力のある優位性を創造するための実施意見』を発表した。その主な内容は、中国東北地方の有力企業を主体とする技術イノベーション連盟の創設、産業競争力の新たな優位性の構築、イノベーション・起業精神に富む人材チームの育成である。(詳細は事業計画の[資料1]『東北の旧工業基地のイノベーション、創業の発展を促進し、新たな競争力のある優位性を創造するための実施意見』参照のこと)

中国東北地方では、ここ3年間で各高速鉄道路線の開通が相次いでいる。大連-ハルビン間の高速鉄道が201212月に全長900キロメートルの南北縦貫ルートとして開通した。この旅客専用高速鉄道により従来の大連-ハルビン間の鉄道が貨物輸送専用で使えるようになり輸送能力が増加した。その後、各省の省都(瀋陽、長春、ハルビン)から横方向の東西の各都市に延びる高速鉄道および東北東部鉄道(普通鉄道)が開通し、東西南北を結ぶ鉄道網が完成した。それらは瀋陽-丹東(20159)、大連-丹東(201512)、営口-盤錦(2013年9月)、長春-吉林(201212)、吉林-琿春(図們経由)(20159)、ハルビン-チチハル(20158)である。

このほか図們江貿易回廊の拡大[日本海横断国際貨客フェリー航路およびモンゴル国・チョイバルサン-内蒙古イルシ間の両山鉄道計画(区間476Km)]も進められており、中国東北地方の一体的な開発の機運が一層高まり、物流、人、情報の動きが盛んになり、更なる経済発展が見込まれる。

 
2015年度事業報告

Ⅱ.中国の東北振興政策を踏まえた協力の推進

12015年日中経済協力会議-於遼寧

1.会議概要

(1)会議テーマ:新機軸の協力と輝きの再鋳

(2)開催時期:2015715日(水)~18日(土)(17日以降は地域視察)

(3)開催地:中国遼寧省瀋陽市 遼寧友誼賓館

(4)主催:日本側:日中東北開発協会、一般財団法人日中経済協会

中国側:遼寧省人民政府、吉林省人民政府、黒龍江省人民政府、

内蒙古自治区人民政府

(5)実施主管:遼寧省対外貿易経済合作庁

(6)共催:(一社)東北経済連合会、(公財)環日本海経済研究所、

日本国際貿易促進協会、(一社)日中経済貿易センター

(7)後援:経済産業省、在瀋陽日本国総領事館、()日本貿易振興機構、(一社)日本経済団体連合会、日中投資促進機構、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、神奈川県、富山県、長野県、鳥取県、島根県、愛媛県、仙台市、新潟市、中国日本商会、瀋陽日本人会、大連日本商工会、長春日本商工会、哈爾濱日本商工会

(8)参加者:日本側:中央政府および各地方自治体関係者、企業関係者(中国駐在者を含む)、経済団体関係者、研究機関関係者等

中国側:中央政府および遼寧省、吉林省、黒龍江省、内蒙古自治区等地方政府関係者、企業関係者、経済団体関係者、研究機関関係者等

日本側169名、中国側531名、合計700

 

2.会議構成

715日(水)

(1)日中VIP会見 17001730

(2)遼寧省主催歓迎宴17301900

716日(木)

(1)全体会議 9301200

1)開会挨拶 9301000

2)日中ハイレベル論壇 10001200

(2)分科会および企業交流会 13301700

①循環経済・省エネ環境

②シルバー産業・関連サービス業

③ハイエンド設備製造業

④農業・食品加工

(3)交流パーティー 17301900

717日(金)地域産業視察

下記の2ルートに分かれて、各市の経済開発区、産業園区、企業等を視察した。

Aコース:鞍山・大連、Bコース:丹東・荘河

 

3.会議成果

(1)日本側169名、中国側約531名の合計700名の参加者を得て、日本と中国東北4省区の間で地方政府、企業、関連団体、研究所等により多面的で多階層による経済交流を行った。

(2)遼寧省を中心として密接な交流を行うことができた。具体的には、日中VIP会見にて李希・遼寧省書記と遼寧省をはじめとする中国東北地方と日本の今後の経済交流の拡大等について実りある意見交換ができた。また、会議における分科会、地域視察等を通じて、日中の関係企業間で、より密接な交流や情報交換が行なわれ、今後の協力プロジェクトのシーズが生まれた。

(3)当協会が長年協力を行っている日本海横断航路に関して、全体会議の日中ハイレベル論壇において、森新潟県副知事より、来春を目標に新潟港-ロシア・ザルビノ港間のフェリー航路開設の計画が発表された。また、716日に瀋陽にて同航路の運営を行う日中合弁企業設立の調印が日中の関係企業間で行われた。

 
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2.中国東北各地との交流

(1)実績

1)訪日団受入

遼寧省対外貿易経済合作庁(115)

吉林省外事弁公室(420)

③大連循環産業経済区代表団(424)

④遼寧省対外貿易経済合作庁(424)

大連金州新区代表団(513)

⑥鞍山経済開発区管理委員会(615)

⑦遼寧省訪日代表団(616)

⑧瀋陽市対外貿易経済合作局(617)

⑨黒龍江省商務庁(1028)

⑩大連保税区管理委員会(124)

 

2)中国側イベントへの協力・参加その他

  <於中国>

·「第10回北東アジア博覧会」参加(830日~92)

生田理事長、瀋陽事務所・趙焱所員が開幕式、「第1回日中韓地方政府協力会議」、「第8回北東アジア協力フォーラム」、「北東アジア商協会協力円卓フォーラム」、「北東アジア工商協力フォーラム」に参加し、スピーチ等を行った。

・第2回中国ロシア博覧会及び第26回中国ハルビン国際経済貿易商談会参加(101214)

瀋陽事務所・趙焱所員が開幕式、「黒龍江省-韓国経済貿易協力マッチング商談会」、「黒龍江省-日本経済貿易協力商談会及び友好県道交流会」に参加した。

 

  <於東京>

.鞍山市忠大集団日本支社兼鞍山市開発区日本駐在員事務所開所式参加(821)

上記開所式に後藤事務局長が参加した。

 

3.東北各地の日本関連の工業団地プロジェクト推進

東北各地の日本工業団地プロジェクトのうち、特に瀋陽経済技術開発区日本工業団地への投資促進に具体的に取組んできた。本年も瀋陽事務所を最大限に活用し、瀋陽などへの進出を検討している日系企業の動向を細かくフォローしてコンタクトを図り、企業誘致活動に努めた。

東北各地の日本関連の工業団地プロジェクト

所在地

特  徴

瀋陽経済技術開発区

工業基地としての発展、都市改造・国有企業改造等との関連

渾南新区(遼寧省瀋陽市)

ハイテク・ソフトウェアパーク。《瀋陽の「浦東」》としての発展

長春経済技術開発区

自動車産業関連企業の進出、ハイテク、光学機械関係等

長春国家ハイテク産業開発区

同上

琿春国際協力示範区(吉林省琿春市)

現在「琿春吉林省日本工業団地」の建設を推進中。従来の市レベルの工業団地から省レベルの工業団地へ一段昇格。

 
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4.コンサルティング活動および情報収集・伝達、広報活動

当協会が中国東北3省1区、各市等の政府機関、企業等との間で築いてきた信頼関係、諸知見を活用して、会員企業の個別の要望、照会等に対応した。

また、4月からメールマガジン『日中東北』を発行し、東北4省区の経済情況、現地便り(瀋陽事務所が作成)中国東北地方とわが国との経済交流に関する最新情報を掲載した。併せて、日中経済協会発行の日中経協ジャーナルの「東北コーナー」に、関連情報を掲載した。

 

5.北東アジア経済交流

(1)当協会専門委員会である北東アジア経済委員会(委員長:吉田進・当協会副会長、1992設立)を中心に北東アジア経済交流促進の活動を実施した。

1)48回北東アジア経済委員会開催(1118)

特別講師の在日ロシア連邦大使館・ドミトリー・ビリチェーフスキー公使兼参事官が『ロシア経済情勢と日ロ協力関係』と題して、最近のロシア経済情勢、エネルギー関連プロジェクト等について講演を行ない、引き続き各出席者との意見交換等が行われた。

2)49回北東アジア経済委員会開催(1215)

特別講師の小牧 輝夫・大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員教授が「最近の北朝鮮経済について~20159月の訪朝報告を中心に~」と題して、同訪朝団の活動、地域視察、経済情勢、金正恩体制等について講演を行ない、引き続き各出席者との意見交換等が行われた。

 

(2)関連団体等との協力による北東アジア経済交流促進

・NPO法人「北東アジア輸送回廊ネットワーク(NEANET)」との協力

①同ネットワーク総会出席(521)

521日、NEANET第12期会員総会が開催され、年度計画等の審議のあと、情報交換会が行われた。

②「北東アジア政策懇話会」研究フォーラム

NEANET主催の上記研究フォーラム(15)に後藤事務局長が参加し、第2回同フォーラムにて「最近の中国経済の状況」、「2015日中経済協力会議-於遼寧」について講演した。

日本海横断国際貨客フェリー航路(ロシア・ザルビノ港~新潟港の往復航路)

同航路20118月に運行を開始し、1年ほど運航したが、現在運休中である。現在は就航を目指し、貨客フェリー等の導入の検討が進められている。

 

④その他

また、20131217日、琿春-クラスキノ(マハリノ)間の鉄道が開通し、約1万3千トンのロシア産石炭・鉄鋼石が中国に輸送された。同鉄道税関での2015年の年間輸出入量は100万トン(2014年は60万トン)で、従来の石炭輸入一辺倒からコンテナ、鉄精粉、小麦粉、木材などの貨物が加わった。また、吉林省は内蒙古自治区を経由したモンゴル国との鉄道の連結も希望している。

 
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.瀋陽事務所の活動

(1)中国東北地域への協力

今年の情勢に合わせて実務的な業務活動を行ない、特に東北4省区の現地日系企業との交流、会員会社に情報発信に強化した。また、日中それぞれ主催の各種イベント計17(下記参照)に積極的に参加し、多面的な交流を行い、東北4省区との交流を深めた。

このほか、地方政府及び関係先への訪問・面談は計62件、地方政府及び関係先、日系企業、その他からの来訪・懇談は計55件、関係企業への視察・訪問計12件を実施した。

 

·遼寧省対外友好協会主催新年交流会(1/8)

·瀋陽総領事館主催新年賀詞交換会(1/9)

·「2015年中国(瀋陽)国際金融サミット」(5/6)

·「在瀋陽日本地方自治体交流プラットフォーラム5周年記念大会」(5/30)

・「2015年日中経済協力会議-於遼寧」(7/16-17)

・「第3回綏芬河国際通関貿易博覧会」開幕式及び関連行事(8/8)

・「第1回日中韓地方政府協力会議」(8/30)

・「第10回北東アジア博覧会開幕式及びフォーラム」(9/1)

・「商協会協力円卓フォーラム」(9/1)

・「北東アジア工商協力フォーラム開幕式」(9/1)

·「黒龍江省-韓国経済貿易協力マッチング商談会」(10/13)

·「黒龍江省-日本経済貿易協力商談会及び友好県道交流会」(10/14)

·鞍山市経済・現地企業見学交流会(10/20)

·「第41回日中経済協会合同訪中団」(11/2-7)

·「瀋陽市・札幌市友好姉妹都市締結35周年記念招待会」(11/11)

·「駐瀋陽総領事館主催天皇誕生日レセプション」(12/10)

·大連ジェトロ主催瀋陽対日本投資説明会(12/16)

 

(2)情報収集・実情調査

今年度より会員企業への情報発信に注力した。メールマガジン『日中東北』の現地便り(計9篇)、日中経協ジャーナルの『チャイナ・トレンド・チェック』を執筆し、関連情報の収集等により、東北4省区の最新経済情報、現地トレンド情報を会員企業へ提供した。

 

(3)日系進出企業のサポート及び企業マッチング協力

実務面において瀋陽を中心に中国東北4省区の日系進出企業を始め、地方自治体の中国現地事務所などに対して具体的なアドバイス、調整、アレンジに重点を置き、地道な業務展開を図った。

瀋陽に進出している日系企業他計6社の現地日系企業ビジネスマッチング、問題解決に協力した。

瀋陽に進出している日系企業他計5社に対して企業関連アドバイス、レクチャーを実施した。

 

この他、瀋陽現地の地方政府機関、経済団体、研究機関及び日系企業、瀋陽総領事館等との交流を通じ、現地ネットワークの構築・強化を図るとともに、現地の経済発展状況、政策動向等に関する情報収集を行った。

                                                                     以 上
 

東北4省区の経済指標

東北4省区の経済指標
 
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東北4省区の主要経済指標と目標 ( 2016-06-08 ・ 88KB )
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